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戦後派お化け大会 (1951)

監督
佐伯清
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2.00 / 評価:2件

「まぁ!」という感嘆符の杉葉子

  • nqb***** さん
  • 2014年1月24日 0時52分
  • 閲覧数 645
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

オイラが愛してやまない映画「石中先生行状記」(1950)の続編。これは三話構成のオムニバスなのだが、特に朴訥で無口な農家の長男を三船敏郎が演じている“干草ぐるまの巻”がサイコーに可愛くて大大大好き!その続編だから期待しないわけがなかった。ただ、監督は成瀬から佐伯清に変わってる。

 しかしなんというタイトル!もうちょっとなんとかなんなかったのかよ~っって気がしてならない。だって「戦後派お化け大会」ですよぉぉぉ!正直タイトルで萎えます。なんといっても終戦後わずか数年。当時は戦前の価値観が180度変わってしまい古くからの美徳や価値観を否定した新しい価値観や考え方を持つ若者をアプレゲール(戦後派)と称していたのであります。黒澤の「野良犬」でも志村喬が「アプレゲールだかアキレカエルだか知らないが…」ってなセリフが出てきますね。だからこの作品もアプレゲールお化け大会でいいんぢゃないかと思うんですけどダメですか。やっぱり(´・ω・`)

 物語はどうってことない東北の田舎の小さな町をを舞台にした青春物です。この町出身の小説家石中先生が帰省しています。その先生を囲んで街の有志の若者で作っている青年文化グループが演劇をやろうと言い出すのですが、資金が足りません。それでアルバイトをしようということになるのですが、夏祭りに来る巡業のお化け屋敷の従業員が食中毒でみんな寝込んでしまって人がいない。そこで青年文化グループの面々が代役でバイトするというもの。

 三組の恋模様が描かれています。演劇演出担当で町の旅館油屋の息子、雄作(小林桂樹)に想いを寄せると踊りのお師匠さんの君代(相馬千恵子)。優作が想いを寄せる小学校教師のカナ子(杉葉子)ははいなくなってしまった源さんの息子謙二(三船敏郎)を慕っていた。子供たちのアイドル紙芝居屋の友雄(川喜多小六)はいつも紙芝居のあとかき氷をてんこ盛りにサービスしてくれるハル子(桜井良子)と相思相愛だったがお互い気持ちを言い出せない…。

発見したのは、この頃の女性は会話の中に頻繁に「まぁ」という感嘆符がつくこと。杉葉子なんて何回「まぁ!」って言ってることか!いま、「まぁ」なんていう女性はいませんよね~。一体日本の女性はいつから「まぁ」と言わなくなったのでしょうか?

 正直一作目の成瀬ほどの牧歌的雰囲気は出ていません。途中から三船がいつ出てくるんだろうっていう興味だけで見ていました。なんと三船はサーカスのピエロ役で出てました。最初は誰だかわかりません。だってピエロのメイクなんだもの!声で分かりました。このサーカスはスガノサーカスって書いてあります。この頃はサーカス団体って結構あったようで、昭和31年(1956年)には「日本仮設興行協同組合」というのが設立されてて、この時の所属は有田洋行、木下、シバタ、矢野、キグレ、ゴールド、赤林、日本、原田、カキヌマ、金丸、国際、田村、田部井、菅野、オリエンタル、山根、井原、三好、池野、となってますね。ここに菅野っていう名前があるので映画に出てきたのはこのスガノサーカスだと思われます。

 この頃の夏祭りっていうのは神社の境内なんですね~っ。そこにサーカスやらお化け屋敷ヤラが出来てるっていう寸法。しかし以前みた「青い山脈」でも思いましたが、つくづく杉葉子って「戦後」を具現化してる女優さんだなって思います。細面で手足がすらっと長くて、明らかにそれまでのずんぐりむっくりした女優陣とは一線を画しているんですよね~。当時の観客は彼女に明らかに“戦後”を感じていたのだろうなぁと想像してしまいます。

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