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三等重役

bakeneko

5.0

ネタバレ社長も楽じゃない

“社長シリーズ”のエピソード0的な作品であります。 シリーズの顔である森繁久彌(本作ではまだ大人しめの演技です!)がまだ人事部長という設定で、社長を演じるのは河村黎吉であります(森繁主演の“社長シリーズ”では、先代社長として額縁の写真になっているあの人です♡)。そして、社長秘書に小林桂樹、先代社長夫人に三好栄子というお馴染みの顔が(出番は少ないですが)紹介されます。そして、沢村貞子、千石規子、坪内美子、藤間紫♡、越路吹雪♡らの女優陣も充実しています。 会社経営に関するトラブルと解決が、誇張されたギャグも盛り込んで賑やかに展開する“社長シリーズ”とは異なり、本作品は中堅企業の社長の周りのささやかな出来事をユーモアとペーソスで繋いで行く構成となっていて、現実に即した笑いと人情に感じ入る作品となっています。 管理職の悩みを抱えながら、部下の社員の為に奮闘する善良な河村黎吉の社長は“社長であってもサラリーマンは辛いよ”というテーマを共感を持って見せてくれます。そして、トップからヒラまで皆が一生懸命頑張っていた昭和の復興期の“大変だったけれど人間味のあった社会”を楽しませてくれます。 戦犯のパージ(旧財閥の公職追放)や、小さな地域コミニュテイ等、当時の時代色も興味深い作品で、まだまだ自然が豊かで空が高かった風景は爽やかな開放感を感じさせてくれます。 高度成長期の加速したギャグ以前の、“サラリーマン社会人情喜悲劇”の佳作であります(下の社員の環境はあまり変わっていないかなあ)。 ねたばれ?(お礼) ラピュタ阿佐ヶ谷のスタッフ&映写技師の方々、観客が私一人にも係らず上映して下さり有り難うございました。

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