ここから本文です

次郎長三国志 第一部 次郎長売出す (1952)

監督
マキノ雅弘
  • みたいムービー 4
  • みたログ 38

3.29 / 評価:7件

馬鹿は死ななきゃ治らねえ

  • すかあふえいす さん
  • 2014年4月26日 22時54分
  • 閲覧数 228
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

早撮りで知られるマキノ雅弘の手腕が遺憾無く発揮された傑作シリーズ。

今回は東宝版(1950年代)の第1作「次郎長三國志 次郎長賣出す」についてレビューしたいと思う。

初っ端から喧嘩で始まる騒々しい幕開け、刀相手に素手で挑みかかる次郎長。
戦った相手を「水に沈めたような」とハッキリ覚えていないほど夢中で喧嘩にのめり込む喧嘩馬鹿。

冒頭からアクションが幾度も入るので早々とその世界に引き込まれてしまう。
売られた喧嘩は買う、他人の喧嘩まで買ってしまうなど困っている奴は放っておけない。
そんな次郎長の仁義に惹かれて仲間となる男たち。ドイツもコイツも粋な登場の仕方をしてくれる。
2年の旅を経て忍耐も付いた次郎長。
彼らもまた次郎長に負けず劣らずの肝っ玉揃いだ。
金の博打はやらない、生きるか死ぬかのやり取りこそ奴らの「博打」だ。
テンポも良いし話もサクサク進む、少々詰め込みすぎだが密度もあって面白い。
いつの間にか叔父の助っ人が何人か付くなどメキメキ頭角を表していく次郎長。

そして剣術指南役であり参謀となる者も出てくる。
婿入りして足軽から侍になったという負い目、武家という身分に縛られずに女を愛したい・・・だが女は武家を選んだ。
彼の顔を覆う黒い影が心の動揺を物語る。
凄い演出だ。

身分を捨てる事は彼女にとって恐怖だったのだろうか。
落ち込みはすれどいつまでもショゲてはいられない。
身分を捨ててまで惚れた男のために魂をかけるその心意気。
彼の登場は次郎長にとっても転機だった。
冒頭の喧嘩沙汰が終盤の展開に説得力を持たせる。
血で血を争う事だけが戦じゃない。原因を探り戦わずして場を収め、のし上がる・・・次郎長の成長も感じられる。
公開当時は評判が悪かったらしいが、今の時代にこそ真価を発揮するであろう傑作。

この後も様々な監督が「次郎長」を描いていくが、やはりマキノ雅弘の「次郎長」が一番のお気に入りだ。

黒澤明は「七人の侍」における仲間集めをジョン・フォードの「駅馬車」からヒントを得たと語るが、道中で個性豊かなメンツに出会っていく様子は「次郎長三国志」からも少なからず影響を受けているのかも知れない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 楽しい
  • かっこいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ