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真空地帯

kin********

4.0

ネタバレ真摯な作品

特殊空間とも言える日本軍を活写した作品。 兵隊一人一人のキャラクターがよく練られている。どこにでも順応しそうな調子の良い西村晃、教師らしく律儀一本槍な下元勉、老練で本音と建前をうまく使い分ける三島雅夫、自身の体面だけが気になる神田隆、などなど。  軍隊という非人間的な行為で充満するなかにいる人間臭い面々。おそらく日本軍の実態にかなり近いのだろう、と思わせる説得力がある。  撮影や美術など技術的にも、映画が娯楽の王様だった時代のものだけに、しっかりしていて楽しめる。  ただもうひとつピンと来なかったのは、木村功が上官の財布をただ拾ったのか、積極的に盗んだのか、それがずっと争点になっているところ。  ただ拾ったにしろ、金をネコババしたのは事実なんだから、全体を貫く芯になるほど、両者に違いがあると思えませんでした。    軍隊のバカバカしさはよく分かるだけに、なんだがはぐらかされた印象。というわけで星は満点にはしませんでした。

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