真空地帯
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(8件)


  • kin********

    4.0

    ネタバレ真摯な作品

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • kor********

    5.0

    「個」を消し「無」になることが生きる術

    野間宏の同名小説を山本薩夫が映画化。社会から隔離された兵営の非人間的な状況を告発する軍隊批判の作品であり、反戦映画における名作でもある。反骨精神旺盛かつ骨太な社会派作品を撮り続けた名監督山本薩夫であるが、自身も体験した理不尽な軍隊での暴力の内情を暴き、閉鎖的な縦社会が生む人間のエゴイズムを生々しく描いている。さらにモノクロ映像が陰湿さをより淀ませ、希望と絶望の渦に巻き込まれる主役の木村功が見せる組織に反抗的な態度は『理由なき反抗』でのジェームズ・ディーンを彷彿させるかのような斜に構えた名演技であった。終戦から間もない製作なので、原作者や監督始め役者の殆んどは戦争を実際に体験した者達であり、荒涼としたセットも含め現代では再現不可能なリアリティに溢れている。 理不尽な関係性は当時の軍隊ほどではないにしろ、部活動などの学校内では未だに残る文化である。さらに、軍隊式の厳しいトレーニングやマナーが美化されているようにさえ感じる。過保護な保護者をモンスターペアレンツと呼ぶ一方、事例を挙げるのは控えるが、スポーツで結果を残しているのなら理不尽な体罰も正当化してしまう保護者もいる。正解がないからこそ棚上げされる問題であるが、個の力に乏しくとも集団になると威厳を振り回す人間性というのは日本は悪い意味で優れているのかもしれない。その精神が団結心を生み、アジアのちっぽけな島国が戦争で一定の結果を残しては戦後の高度経済成長を支えた信念なのかもしれない。しかし、都合の悪い真実をもみ消し、権力を盾にして私服を肥やす上層部の構造は今も昔も変わりない。 現代ではスクリーンの中で規制が邪魔をし、こんなにも人が人を叩けないだろうとは思うが、罪もない者への理不尽極まりない暴力の連鎖や精神を傷つける罵倒の嵐はまさに「真空地帯」である。物資も何も存在しない地帯では己の個性を消し、限りなく「無」に溶け込むしか生きる術はないのだ。 余談 ・木村功の美声も忘れてはならない。 ・山田洋次がエキストラで出演している。(スクリーンには映っていない)

  • adi********

    3.0

    こんな連中で勝てるわけないでしょ

    あームカつくなー ムカつく映画だなー 悪い映画じゃないんだけどなー 見てるこっちまで ビンタしたくなるような 平べったい顔がズラッと並んでさ 胴ばかり長くて 鼻の穴が2つ まるでサルの軍隊 サルたちが ちっぽけなプライドを争って イジメ合って殴り合ったって 人間であろうとする ひとかけらの 意地も美しさもないんだから こんな連中で勝てるわけないでしょ かりにも兵士ならば 戦士としての誇りと気概を教えるべき はなばなしくさっそうと 敵の人間の「実存」を奪い去るような 立派な気構えをこそ教育すべき それが戦争と云うものでしょ? 男たちの争いというもんでしょ? やるなら本気でやれってんだ なのに 人間を兵器とみなし 機械の部品とみなして 意地も気概も奪ってしまえば すんなり機能すると思ってるところが 国家というもののあさはかさだ いまも昔も変わりゃしない! ふん。 やれやれだ 山本薩夫監督も とんでもない映像を残してくれたもんですよ この非人間的な 狂気のありさまを 異常だと思うかどうかは 見ているこちらの心根しだいではないか ここにノスタルジックな夢想をかき立てられる 愚かな人びともいるだろう いまの日本国家にはこういう厳しさが足りないだなどと 言い出すあきれた連中だっているはず 私に云わせれば この映画にあるような かつての日本の陸軍のような 貧乏くさくて みじめで汚くて まるで体育部の部室にように狭っくるしくって 陰湿でセコくって そういうところで戦争しようってのがまちがいだったってことでしょ? 男なんて女より見栄っ張りなんだから 昔の武将のように美しく 孔雀のように飾り立てて 女どもをキャアキャア言わせてさ 発奮させるようでなきゃ どこに賭ける命があるものかって思うわけですよ やれやれですよ!

  • san********

    5.0

    新兵さんは可哀想だね、又、寝て泣くのかよ

    水戸黄門か二人いる、すごいやね 東北弁むちゃくせいきょうも、関西弁木谷も、器用にこなす木村功に唖然 朝鮮人炭鉱夫もやる、田舎の校長もはまる、悪徳上官もうまい、加藤嘉の芸の広さよ はなちゃんと包容するあどけない木村、全員を殴る四年兵木村、うまい (°o°C=(_ _; 起きろよ、起きろ、見な、起きろ、起きないと、大将さんに叱られる

  • yag********

    3.0

    白黒だから余計暗いのかも?

    佐野浅夫、西村晃…と言えば、水戸黄門様。 こんな若い時があったんだ!とびっくり。 「人間の条件」と同様、軍事教練の団体生活における、序列という名の「いじめ」の酷さ …。二度と戦争をしてはなりません。という気になりました。

  • Kurosawapapa

    3.0

    そこは、まさに息のつまる空間

    この映画は、大日本帝国陸軍内部の理不尽を描いた野間宏原作の「真空地帯」を、 山本薩夫監督が映画化した作品です。 本作の特徴は、舞台が戦場ではなく、 兵士の訓練を行う施設=内務班に限っているところ。 山本監督は、1945年、千葉県佐倉市の佐倉連隊に二等兵として入営。 中国の内務班に送られ、上官からの理不尽な私的制裁を受けたそう。 原作者の野間宏も、戦時中、軍隊で非道な行為を受けたそうで、 2人の怨み節が聞こえてくるような作品です。 木谷一等兵(木村功)は、士官の金入れを盗んだという罪で2年間の服役、 拷問や厳しい刑を経て、隊に戻ってきます。 しかし、その事件には、ある謀略が、、、 内務班に戻ってから大人しくしていましたが、刑務所あがりであることがバレ、徐々に理不尽な扱いを受け孤立。 陰謀によって野戦行きとなった彼は、その前にどうしても自分を監獄に送り込んだ張本人、林中尉に会って決着をつけねばなりませんでした。 「真空地帯」、、、 そこは、まさに息のつまる空間。 兵舎での生活、泥まみれの訓練などが描かれますが、 規律を正す “暴力” は、日常茶飯事。 演じる俳優も、往復ビンタや蹴りを入れるのは、かなり本気。 そして、厳格な規律の裏にある、利権をめぐる派閥争い。 暴力、 無責任、 不条理。 同じ人間でありながら、ここまで変貌してしまう、 軍隊とはまさに “人間性を奪う所” であることを、山本監督は辛辣な視点をもって描写。 主人公を演じた木村功は、 か弱そうな声を出しつつも、上官を睨みつけた時の眼差しは鋭い。 人を人とも思わない、 そんな世界に対する怒りに満ち溢れています。 映画の撮影にあたっては、終戦後も残されていた佐倉連隊の実際の兵舎が使用されたそう。 迫力のリアリズムで、社会派ドラマを作り上げる山本監督。 決して好きなタイプの作品ではありませんが、 強烈な印象を植え付けられることだけは確かです。

  • dqn********

    4.0

    閉鎖的空間を圧倒的迫力で描く

    野間宏の小説を映画化。日本陸軍の負の側面を活写した重厚な群像ドラマ。生々しい迫力で二時間強を一気に見せる。 太平洋戦争終盤、大阪の陸軍兵舎に刑務所あがりの男・木谷(木村功)が入営する。彼を中心にした軍隊内部の人間模様。初年兵を執拗にいじめる上等兵たち(何かあるとすぐにビンタ)、学歴への嫉妬、士官の権力闘争(木谷もそれに巻き込まれる)、下士官の腐敗、自己保存のための裏切り…閉ざされた空間(=真空地帯)で顕在化する人間の醜悪な姿。 人間を非人間化させる軍隊の醜さを、山本薩夫監督は怒りを込めて表現する。それはまだ戦争の記憶が身近だった時代だからこそできたことなのかもしれない。 俳優陣も監督の気合が乗り移ったかのように奮闘。主人公・木谷役の木村功を中心に、初年兵をしごく佐野浅夫(地野上等兵)、大学出で物静かな下元勉(曽田一等兵)、世渡り上手的な西村晃(大住軍曹)、木谷の味方と思わせて最後には裏切る金子信雄(金子軍曹)、その他の兵隊(劣等兵のくせにすぐに怠ける安西初年兵、飄々とした染一等兵など)まで、俳優たちのしっかりとした演技が、この映画を迫真性のあるものにしている。 木谷が怒りを爆発させ下年兵たちを殴るシーンは圧倒的な迫力。またラスト、脱走に失敗し結局戦地へ赴く木谷の、どこかすっきりとした表情は、非人間的な空間を抜け出た解放感を表しているのだろう。 閉鎖的な縦社会は現在にも続く日本社会の縮図、そう考えると本作で描かれた組織模様は、過去の遺物では無いのかもしれない。

  • nao********

    3.0

    永田町と一緒

    戦争の狂気によって、そして閉鎖空間の中の序列によって人間性や理性が無くなっていく姿が伝わってきます。今の政治の世界も永田町という極めて閉鎖的で、肝心の国民からかけ離れた政争が行われているところはそっくりだと思う。こんな軍隊で戦争に勝てるはずがない。

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