ここから本文です

夫婦 (1953)

監督
成瀬巳喜男
  • みたいムービー 1
  • みたログ 16

3.50 / 評価:4件

夫婦の危機を絶妙のバランスで表現

  • おーるどぼーい さん
  • 2008年9月30日 0時43分
  • 閲覧数 523
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

「めし」に続く夫婦物で、夫役は上原謙、妻役は病気の原節子に代わり杉葉子が出演。伊作(上原)・菊子(杉)夫婦は、新居が決まらない中、伊作の同僚・武村(三国連太郎)宅を間借りする。だが武村の面倒を見る菊子の姿に伊作は苛立ちを感じ始め、それが夫婦間に亀裂を生む。

「夫婦関係の危機」という重たいテーマながら、深刻になり過ぎないユーモア感が絶妙。またクリスマス・師走・お正月など年中行事の描写や、豆腐売り・納豆売りなど当時の生活風景のさりげない挿入が、日常への誠実な視線を感じさせる。

三角関係の丁寧な描写と、主演3人の的確な演技が大きな見どころ。家主でしかも男やもめの武村に、風邪の看病をしたりといろいろ世話を焼く菊子、そんな菊子の優しさに淡い恋心を抱く武村。菊子は、武村が見せる好意(クリスマスプレゼントをくれたり)に純粋に喜びながらも戸惑いを感じ、夫・伊作は二人の関係に焦りと不快感をおぼえる。

そんな男の焼きもちを巧みに表現した上原謙、けなげな若奥様を品良く演じた杉葉子、そして特に素晴しいのが、三国連太郎。人の妻にずうずうしく横恋慕するが、どこか抜けていて憎み切れない武村を、コメディ・タッチに演じて存在感たっぷりである。

貧乏生活の描写も秀逸で、ぼろいコートを着て芸者に笑われる伊作や、着飾った妹(岡田茉莉子)を見て落ち込む菊子など、ほろ苦いユーモアで表現されている。

終盤、夫婦はあっさり武村家から引っ越してしまい、そこはやや拍子抜けしたが、そんな二人に妊娠が発覚。始め、生活苦から中絶を望んだ伊作だったが、ついには育てることを決意する。子どもの出現に、夫婦の信頼の深まりを見出す、爽やかなラストシーンである。

前作に負けない素晴しい出来で満足です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ