1950年代の辻堂海岸の美しさ!
- bakeneko さん
- 2017年3月7日 8時12分
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当時気鋭の新人だった木下恵介の脚本を青柳信雄が監督した名作で、小原譲治が捉えた辻堂海岸の美しさは幻想的なレベルまで到達しています。また、木下恵介の弟:木下忠司が作曲したセンチメンタルな主題歌は劇中で何度も歌われて長く記憶に残ります。
神奈川県の辻堂から東京新橋の外務省関係の省庁に勤めるヒロイン:島崎雪子の近所に病弱な父:滝沢修とその息子の青年:高島忠夫が越してくる。親孝行な青年と柔和な父親は直ぐに近所の和菓子屋夫婦(坂本武&清川虹子)と仲良くなり、ヒロイン一家も青年に好意を持つが、ヒロインの母親:田村秋子と青年の父親が嘗て結婚寸前まで行った恋人同士だった…というお話で、木下恵介の脚本らしい(=悪い人が誰も出てこない)繊細なヒューマンドラマ+慎ましい恋物語を爽やかに観せてくれます。
主人公達の逡巡しながらの散歩に何度も出てくる辻堂の砂浜がとても美しく、島崎雪子と高島忠夫も爽やかなカップルを魅せてくれる作品で、戦後の混乱期が一段落して純粋な善意&繊細な思いやりが復権してきた頃の日本を映し出している佳品であります。
ねたばれ?
本映画の主題歌は、後に脚本を木下恵介の実妹・楠田芳子、カメラは楠田芳子の夫、楠田浩之、音楽を木下忠司、監督は愛弟子の川頭義郎が監督した「涙」という映画でも使われています(浜松を舞台にして、不幸な生い立ちのヒロインの恋と家族愛を描いた名編でこちらも浜松の海岸がとても美しい映画ですよ!)。
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