女性の存在感だけの忠臣蔵
- oldfilmer さん
- 2009年1月24日 4時07分
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吉良上野介と浅野内匠頭の交錯は殆ど省かれ、その内匠頭を大石内蔵助を演じている片岡千恵蔵が二役で演じているのは何か意味があるのだろうか。二人の一心同体性を強調したかったのか。ともかく、そのあたりの進行はナレーションで軽く説明されるだけである。そのために悲劇性が大きく毀損してしまっているのは否めない。その一方で片岡源五右衛門の娘を吉良家が用人としてあまりに易々と受け入れ、上野介までがその娘の色香に溺れる姿を強調してみたり、荒唐無稽の感さえある。配役では後に、「黄門さん」や「大久保彦左衛門」で渋い声色で一世を風靡した月形龍之介が、軽い口調、早口で片岡源五衛門を演じているのは新鮮であり、後の渋い口調は演技としての作り物であったことが判る。作りものとはいえ、見事な作りものである。大石りくを演じるのが小暮実千代、瑤泉院が山田五十鈴、吉良家へ潜り込んだ片岡源五右衛門の娘は嵯峨美智子など女性陣の存在感はさすがの趣がある。男優では、後の東映時代劇でお馴染みの大友柳太朗が清水一角を、薄田研二が吉良、徳大地伸が将軍綱吉を演じている。面白いところでは、内蔵助の東下りを助けることになる立花左近として早川雪州が顔を出しているがあまり迫力が感じられない。
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