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(1953)

監督
成瀬巳喜男
  • みたいムービー 3
  • みたログ 27

3.63 / 評価:8件

恋をする、さりげない瞬間に

  • あでゅ~ さん
  • 2008年9月26日 22時31分
  • 閲覧数 228
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

成瀬映画の
真実カッコイイと思うところは
人が恋する瞬間を
まさにその刹那を

ポッと頬を赤らめさせるわけでも
目を輝かせるわけでも
バンジージャンプさせるわけでもなく

ただ
さりげない会話のなかで
ふとしたリズムの変化
カットの切り返しで
たしかに
有無をいわせないほどに
あっさり描いてしまうところだ

当事者も
見ているほうも
そのときはなんだか
わあーとなっていて気づかなくて
けど
あそこが分岐点だったんだぁと
あとになってわかって

なんだかほんとうの人生のようで
目が離せなくなってしまう

銀座のらんぶるって名曲喫茶で

丹阿弥谷津子さんに
「これ、ラロのヴァイオリン協奏曲ですわ。わたし好きなんです」
なんて言われて、上原謙さんは
ふと間があって
「いやあ、ボクは音楽には疎いもので」
とかすぐに言うけど
そのときにはもう
わあーっと彼女に惹かれてしまっていて

あとになってわかっても

もう遅くって
あとの祭りで
話はどんどん先に進んでて⋯

⋯⋯⋯

丹阿弥谷津子さんは
けして美人系ではないけれど
熟れた桃のような
おいしそうな感じ

家で
ちゃぶ台で
箸を爪楊枝がわりにして
お茶で口をすすぐような
せんべいバリバリ頬ばるような
妻の高峰三枝子さんと比べたら

いくら美人でも⋯
やっぱり⋯
って感じ

上原謙さんのなかに生まれた恋はもう
どうにもしようのない感
濃厚で

並んで上野を歩くふたりといっしょに
こちらまでウキウキしてしまったり

妻の高峰三枝子さんに問いつめられて
「うん、好きなんだ」なんてあっさり
正直に言われてしまうと
ああーバカ、と思ったりして

⋯⋯⋯

男と女のカンケイは
はじまったらもう後戻りはできない

成瀬さんはそのことをよく知っている人

だけど
根がラテン系でも
ロシア系でもないから

どちらかというと
ミニマルで
ピューリタンな
現代音楽的っぽい人だから

日常のくり返しのまえでは
現実のまえでは
いつも立ち止まって足踏み

こちらのロマンチズムは
いつもいつもおいてけ堀

それがいいのか悪いのか

⋯⋯⋯

恋を知らない
若き画大生の三国連太郎さんが
痩せていて
息子の浩市さんそっくりで
行き詰まりそうなこの話のそここで
ステキな弛緩剤になっています

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 楽しい
  • ロマンチック
  • 切ない
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