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日本の悲劇 (1953)

監督
木下恵介
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3.58 / 評価:24件

浪花節的 “女の一生” の(転換期の)悲劇

  • 百兵映 さん
  • 2014年8月8日 17時29分
  • 閲覧数 682
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

この母親は立派じゃないの? どうして自ら身を投げなくちゃならんの? 何にそこまで絶望しなくちゃならんの? 当てにしていた息子が養子に出ていくから? 息子たちに母の気持ちが通じないから? 娘が駆け落ちして、子どもが二人とも出て行ったから? つまり、一生懸命子どものために働いてきたのに、その結果がこれだから? 悲しい? 寂しい? 悔しい? ―― そういうこと?

 この子どもたちも立派じゃないの? 母親に対しても、その苦労ぶりや自分たちへの責任や期待などが良く分かっているんじゃないの? まさか、悲観して死ぬなんてことは思いもしなかったんじゃないの? でも、もうひとつしっくり打ち解けなかった? 母が子どもを思う気持ちが、母の勝手な思いやりだった? 結果としては子どものためにはなっていない? ―― そういうこと?

 母親も、姉弟も、行く行くはこうなると分かっていたら、考え方や行動は変わっていたのだろうかね。いや、変わらなかったんじゃないかな。

 この母親(の苦労)は報われなかった。おそらく、戦後の高等教育を受けたこの姉弟は、この母親(の子育て観)に耐えられなかったのではないか。母は母で自立して欲しかったのではないか。いやぁ、それは無理というもの。女の一生は、親に仕え、夫に仕え、子どもに仕える、と決まっているのだから。戦後8年目のこの時代が、まさに “自立” と “仕え” という相反する人生観が対峙し始めた時ではなかったか。対峙が悲劇になるところが、『日本の悲劇』なのかもしれない。

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