ここから本文です

あに・いもうと (1953)

監督
成瀬巳喜男
  • みたいムービー 5
  • みたログ 67

4.33 / 評価:15件

森雅之の役柄の幅の広さに驚愕!

  • nqb***** さん
  • 2012年2月2日 0時39分
  • 閲覧数 458
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

1953年大映。キネ旬ベストテン第五位。

 森雅之の役柄の幅の広さはどうだ。この作品ではのんだくれの石工を見事にこなしている。驚いた。京マチ子の演技も素晴らしい。

 描かれているのは兄伊之吉(森雅之)と妹もん(京マチ子)の複雑な愛憎劇。かわいがっていた妹が妊娠して帰ってくる。それが許せない兄は妹に辛くあたる。末っ子のさん(久我美子)は姉のふしだらさが噂になっていて、自分の恋愛にまで影を落とす。

 いまでこそ、シングルマザーなんて当たり前だが、この時代、未婚の若い女性が妊娠するというのはそれだけで家庭崩壊しかねないほどの一大事だったのである。クライマックスの兄と妹の大立ち回りは必見。

 素晴らしいシーンが随所に見られるのだが、しびれたのは、もんを妊娠させた学生小畑(船越英二)が訪ねてきた場面。父親とはなんとか冷静な話し合いが出来て帰るときに母親(浦辺粂子)が饅頭を手土産にもたせてやるのだ。娘を孕ませたその当事者の学生に!(笑)このへんが昔のひとはおっとりしている。
 
 そして続く場面がホッとして帰る小畑の後を無言でおう伊之吉。道の真ん中で仁王立ちして腕組みして小畑を無言で睨みつける。その傍らを下を向き通り過ぎる船越。無言のまま後をつける伊之吉。何度も後ろを振り返りだんだんと早足になる小畑。追いかける伊之吉、ついに並んで小畑の肩に手をかける!この演出が素晴らしい。双方の心理描写が絶妙。そしてこの後、伊之吉は小畑にどれだけ自分がもんを可愛がっていたか、仲が良かったか、兄としての心境を吐露する。

 大傑作とはいえないが、成瀬の人物描写はこの作品でも絶妙の冴えを見せる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 切ない
  • かわいい
  • かっこいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ