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君の名は

ぴーちゃん

4.0

ネタバレすれ違いドラマの古典

ずいぶん昔に観た記憶があるんだけどほとんど忘れていたので初見と変わらない。今回「君の名は」が観たくなったのは、「黒百合の歌」がきっかけだ。第二部の主題歌。第二部では北原三枝が出る。アイヌの娘役。目力マジ凄い。顔が濃いのでアイヌの娘役ピッタリ。ユミという娘なんだが自分のことは「オレ」というまずラジオドラマで伝説作った。当時はまだテレビが普及してなかったので、ラジオドラマなのだ。放送が始まると女湯が空になったという。それだけ当時の女性は夢中になってラジオの前にかじりついていたというわけ。そして映画になった。1953年の9月に第1部封切。12月に第2部封切。翌年春に第3部封切。見事にこの年昭和28年の興行ベストテンの1位と2位を獲っている。ちなみに第3部も翌29年の興行ベストテン第1位だ。それほど熱狂的に大衆に支持されたもののキネ旬ベストテンにはかすりもしていない(笑)新海誠の「君の名は。」も確かキネ旬ベストテンから漏れてるよね?要するにキネ旬なんてのは昔から変わってないわけだ。映画こそは自分の感性で観るのがよろし。評論家なんてあてにしたってろくなことにならないってことの証明だ。「君の名は」の話に戻る。主演は岸恵子と佐田啓二。当時はまだそれほど有名じゃなかったらしいこの二人をスターダムにのし上げたのがこの作品ってわけだ。佐田啓二ってホントいまでいうイケメンで、現代でも通用する顔だと思う。例えば加山雄三のお父さんの上原謙って戦前戦後の日本映画界を代表する二枚目スターがいるんだけど、この人なんて顔はでっかいし全然ハンサムとは言えないし今の時代では主役さえできないと思うけど、佐田啓二は違う。岸恵子は個人的にはそんなに好きではないんだけど、品のある顔立ちだと思う。市川崑だったかな~。岸恵子がフランス人監督イブ・シャンピと結婚した時、「日本を代表する女優をフランスのハゲにとられやがっておめ~ら何やってんだ~っ」って現場で俳優やスタッフや助監督らにハッパかけたとかいう話を聞いたことがあるのだがググっても出てきやしない。  さてこの君の名はだが、どんな話かというと一言で言うとすれ違いドラマの古典である。空襲時に佐田啓二の後宮春樹と氏家真知子は出会う。一晩命からがら逃げまわった二人は生きていることの素晴らしさを数寄屋橋の上で確認しあい、半年後の11月24日の午後8時にふたりともまだ生きていたらこの数寄屋橋の上で会おうと約束する。名前を尋ねようとしたその刹那、再び空襲警報が鳴り響き二人は別れ別れに。両親を空襲で亡くした真知子は佐渡の叔父の家へ。そこで叔父から縁談を薦められる。浜口というその男は真知子の心に想う人があることを知ってなお真知子を愛し一緒に探してくれる。紆余曲折の上、1年半後ようやく数寄屋橋で再会できた二人だったが、その時には真知子は浜口との結婚を明日に控える身だった…。ここから二人のもどかしいすれ違いがはじまるのであった。いに来たんです。   んで月日は流れ、真知子は結婚するんだけど、これがまぁとんでもない嫉妬深い男でおまけにマザコン。真知子の心の中には後宮がずっといると疑ってるわけ。この浜口の母親役がだれあろう、市川春代なんだわ!といっても誰もピンと来ないかもしれないけど、「鴛鴦歌合戦」ていう戦前の歌謡オペレッタがあるだけどその中のヒロイン。日本映画史上「ちぇっ」をこれほど可愛く言う女優をオイラはほかにしらない。あの市川春代が母親役。それも意地悪な…。って思ったら感無量だったわ(笑)

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