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伊豆の踊子

ma8********

3.0

当時の学生の特別な身分。

どこに行っても当然のごとく常に饗応される側で自分は労を惜しみ常に暗く内に籠っている。 しかもそれでも周囲はチヤホヤしてくれる。 身内を失った孤独な若者なのは可哀想だが市井の人々と何と言う身分の違い。 何様感が強烈すぎる。 いわゆる日本の近代文学が今になって滅びつつあるのは、この当時の彼を含めた特権的男性だけに許されたコミュニケーションの未熟さや傲慢さが文学の重要な一部だったからのような気すらする。 踊子はいったい主人公のどこに惚れたのだろう。 原作も読んでみたが踊子の造形の鮮やかさや空間の詩的描写は印象的だったがそれ以上に主人公の自己中なニヒリズムや厭世ばかりが目立って大した作品には思えなかった。

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