伊豆の踊子
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(5件)


  • ma8********

    3.0

    当時の学生の特別な身分。

    どこに行っても当然のごとく常に饗応される側で自分は労を惜しみ常に暗く内に籠っている。 しかもそれでも周囲はチヤホヤしてくれる。 身内を失った孤独な若者なのは可哀想だが市井の人々と何と言う身分の違い。 何様感が強烈すぎる。 いわゆる日本の近代文学が今になって滅びつつあるのは、この当時の彼を含めた特権的男性だけに許されたコミュニケーションの未熟さや傲慢さが文学の重要な一部だったからのような気すらする。 踊子はいったい主人公のどこに惚れたのだろう。 原作も読んでみたが踊子の造形の鮮やかさや空間の詩的描写は印象的だったがそれ以上に主人公の自己中なニヒリズムや厭世ばかりが目立って大した作品には思えなかった。

  • der********

    3.0

    『砂の器』への助走

    何度も映画化されている『伊豆の踊子』、今回は1954年製作の野村芳太郎版を鑑賞。踊子は美空ひばり。 踊子の小学校を帝大生と二人で眺めるシーンや、物乞いや旅芸人を禁ずる村の立て札などに、後年の『砂の器』の名シーンがダブる。 そう、川端の原作は、孤児で孤独な青年と、非差別階級の漂泊者の道行を描いた、とてもじゃないけど「さわやかな青春映画」とはほど遠いもの。別れの後、船の中で帝大生が流す涙の意味は、何なのだろう。

  • kih********

    5.0

    50年ぶりの踊子、新鮮でドキッとする世界

     軽い気分でレンタルして来たこのDVDだったが、予想に反して大変立派な映画だった。  軽い気分というのは、サスペンスの『天城越え』を観たついでに『踊り子』の天城越えも…… といった程度、原作は作中の「私」と同じ年代で読んでいたので、ちょっと思い出しにでも …… といった程度、この『踊り子』には美空ひばりは似合わないだろうけど、ま、それも一興 …… といった程度のものだった。ところが、そんな甘い気分はひっくり返ってしまった。  古いフィルムだが、そこに納まった「昭和のはじめ」が非常に鮮明で新鮮だ。若者たちの感覚が新鮮で美しい。やや控えめに映される被差別の状況を生きる人々の様子も良く分かる。  小説は余りにも美文調で、情緒的で、昭和中期の私には馴染めなかった。『踊り子』への思慕ももどかしかった。でも、あれから50年も経って、これがなかなかに宜しいのだ。作品が変わったのではない。自分が変わっていたのだ。  もう一度小説を読むことにする。そして、映画化された作品は、可能なものは全部観よう。これは、決して単なる抒情詩ではないのだ。ほとんど哲学ではないか。軽い気分では観れない。

  • ple********

    3.0

    原作読了記念に鑑賞。

    原作:川端康成『伊豆の踊子』 監督:野村芳太郎 脚本:伏見晁  原作読了記念に観ました。本当は吉永小百合さん版や山口百恵さん版が観たかったんですが、レンタル店にはこれしか有りませんでした。  原作に忠実な所と、かなり大胆に脚色されている所がまぜこぜの構成になっています。他の映像化作品では観られなかった、原作に有るお茶屋のエピソードが映像化されていて驚きました(私が観たのは、田中絹代さん版の『恋の花咲く 伊豆の踊子』と、『モーニング娘。新春!LOVEストーリーズ』の後藤真希さん版です)。  音質が悪いので、日本語字幕が欲しかったです。  美空ひばりさんがヒロインの踊り子の薫役を演じていますが、原作のイメージと合っていないと思いました(特に声が)。女剣劇っぽい感じがするし、恋愛映画には向かないと思います。美空ひばりさんが『伊豆の踊子』『いでゆの里』の2曲を歌ってますが、「流石、日本を代表する名歌手!」と感動しました。  主人公の学生役の石浜朗さんは、高良健吾さんと染谷将太さんを足して2で割ったような、清冽なオーラを放っています。原作の書生のイメージと合っています。 2013/6/8(土) DVDで鑑賞

  • agu********

    5.0

    実らない恋。

    今は、好きな人と自由に恋愛が出来る時代。 そんな恵まれた時代に生まれたことを感謝したいと思う ような作品でした。 まだ、戦略結婚が定番だった時代。 好きという感情に関係なく結婚させられる運命の踊り子。 見ていてとてもせつなくなりました。 最近の映画だったら、あそこで男が「一緒に東京に行こう」 とか言ってかっさらっていくのでしょうが、そんな時代ではない。 船を見送るときの表情がたまらなく美しかった。 そして、踊り子を見つめる学生の顔も物悲しさでいっぱいだった。 自由な恋愛が出来る時代に生まれたんだからもっと楽しもうと 思えた作品でした。

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