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山椒大夫 (1954)

監督
溝口健二
  • みたいムービー 68
  • みたログ 319

4.18 / 評価:102件

正義を押し通す事の難しさ

  • gtk***** さん
  • 2015年5月23日 13時18分
  • 閲覧数 1342
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

最初に考えたレビュータイトルが、面白過ぎて深みが足りないでした。

展開が面白過ぎるんで、ラストに厨子王の正義が勝利するという展開は、擦れた大人の視点で見ると説得力がないなあな等と思いながら見ていましたが、なんと山椒大夫を追放した後、丹後守を辞任するという展開に・・・

擦れた大人目線で、ああ俺なら何もしないなあ。
何もしないで保身に走った方が、この世の真理というか本質を付いていて深みが出るのに、とか思っていたわけですが、正義を押し通して全てを捨てる失うという展開にまさかの号泣。。。

親父→息子、二代揃って無茶しやがるぜ全くという感想と共に、親父のあの何気ない正義から十余年、父は獄死・妹は入水自殺・母は廃人同然・・・と
ボロ雑巾じゃねーか(号泣)とその儚さに胸が詰まる思いでしたが、正義を押し通すことの難しさを教えて頂いた気がしました。

監督の演出も冴え渡り、現世のお話にまるで見えない映像と音楽の使い方が秀逸でした。夢かあの世か何かのお話に見えなくもないですが、そんな絵の方が人間社会の理や不条理などが浮かび上がってきて良かったかと思います。
それだけだとやや薄いんだけど、上記の正義を通す事の難しさがこの作品に深みと感動のような物を与えていると思いました。

演出面では3点。
安寿が入水するシーンでの湖面の波紋。
安寿の墓の前で厨子王が佇むシーンでの湖面の輝き。
山椒大夫の館炎上のシーン。

が特に印象的で、そこから漂う無常観の凄味に絶句しました。

展開としても子供が見ても面白そうな展開で、終盤自分は展開に裏切られるわけですが、文芸としての深みと娯楽性の良さの二面を作品から感じられたところに稀有なセンスを見た気がしました。


こんな映画に出合えると映画ファンとして幸せな気持ちになれますね。

素晴らしい作品でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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