ここから本文です

美しい人 (1954)

監督
若杉光夫
  • みたいムービー 0
  • みたログ 1

3.00 / 評価:2件

戦争思想は看板を変えて何度でも甦る

  • bakeneko さん
  • 2018年9月3日 14時57分
  • 閲覧数 121
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

三好十郎原作の同名NHK連続放送劇を、本を出版しているダヴィッド社が自主製作した作品で、ヒロイン役の宮城野由美子や上原謙、香川京子といったスターに加えて、宇野重吉や滝沢修ら劇団民芸の役者達も大挙出演しています。

闇屋殺人事件の容疑者であるヒロインが法廷で回想する-太平洋戦争と戦後の庶民の辛酸を映し出すことで、戦争への断固たる拒否が次第に明らかになってゆく作劇で、
戦争中の苦難と戦後の生活苦に翻弄されるヒロインの周囲の人々の群像ドラマが、戦争の本質と戦後の日本の現状を総括してゆく大河ドラマの総集編となっています。
そして、1951年時点での、戦争中の思想統制&洗脳教育が戦後5年を経て形を変えて賦活してきた国粋主義的思想への警鐘も本作の大きなテーマとなっています。

“太平洋戦争下では右翼思想を啓蒙して若者を煽り、戦後直ぐには名前を変えて潜伏していたが、闇屋として成り上がるや嘗ての日本に戻そうとする:怪人を滝沢修がカリスマ的存在感で怪演していて、彼の発するー”靖国に眠る若者の死を無駄にしないためにも日本を今一度再起させなければ…“という妄信vsヒロインの”散々煽って追い詰めて殺した上に自分たちに都合のよい国改造の口実にまだ利用するなんて…“という感情のぶつかり合いは現在の日本でも古びていません。
そして、闇屋の目的を看破した劇中の-“日本を再び右傾化して再軍備してまた戦争を始めるつもりなのね!”というヒロインの言葉には、70年後の現在の日本で1950年当時の庶民の警戒が杞憂に終わらなかったことを実感するのであります。

ヒロインら女性キャラクター達の“難しいことは判らないけれど、戦争は何があっても絶対に起こしてはならない”という理屈を超えた体験からくる真実に多くの日本人が共感していた時代の空気感覚がしっかりと映し出されている作品で、戦争と真摯に向き合ったラジオドラマ&映画が創られていた時代の声は、今現在にこそ聴くべきではないでしょうか(川柳より- “戦争を したがる奴こそ 平和ボケ”)

ねたばれ?
宝石店の“三木ジュエリー”が真珠だけじゃなくてモルヒネを扱っているという設定は。“ミキモトジュエリー”に訴えられなかったのかなあ?

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • スペクタクル
  • ゴージャス
  • ロマンチック
  • 不思議
  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ