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トラン・ブーラン 月の光 (1954)

監督
松林宗恵
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3.33 / 評価:3件

懐かしい異国の響き

  • bakeneko さん
  • 2009年10月16日 16時09分
  • 閲覧数 506
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

速水五郎のドラマの映画化作品で、戦時中のマレーシアを舞台にした、駐屯日本軍伍長と現地民娘の淡い恋が、異国情緒溢れる音楽と風景で綴られる、“ノスタルジック南国音楽映画”の佳作であります。

太平洋戦争中、東南アジア方面に進出した日本軍の中には、熾烈な激戦区ではなくて長閑な南国の僻地で過ごせた運の良い部隊もありまして、その際に体験した、“穏やかな自然と社会”や“美しい音楽や文化”は、多くの兵隊に一種の理想郷的感慨をもたらした様であります。
そして大戦後、帰還兵らによって、異国情緒溢れる風物や美しい音楽や舞踏等が本土に伝わって、いわゆる“南方もの”のジャンルが小説、音楽、映画等に人気を博した時期が有りました。また、戦後かなりの期間に渡って、東南アジアの文化が日本の至る所で見ることが出来たのであります。
映画にしても、多くの“南方の戦線や島々”を舞台にした作品や、登場人物が南方の異境を懐かしむ設定を散見する事が出来ます(「南の島に雪が降る」、「浮雲」等の作品もそうですし、あの“モスラの歌”もインドネシア語の歌詞であります)。

本作は、東南アジアの名曲がタイトルとなって全編を彩る点で、「ブンガワンソロ」と双璧をなす“アジア音楽映画”であり、物語の長閑さや使用曲の多さでより親しめるものとなっています。
日本軍と現地人の交流といっても、あまり突っ込んだふれあいにならず、レジスタンスとの戦いも、激烈さとはほど遠い描写で、“風物と音楽の美しさ”が突出する作劇は、“綺麗ごと”とも批判出来ますが、理想郷的世界を描いてより鮮烈に戦争の無意味さを訴えています。
そして、雪村いづみが“トラン・ブーラン 月の光”等の名旋律を“現地語:インドネシア=マレーシア語”できちんと歌っている点も、大きいポイントとなっています(やはり、その国の名曲は原語の響きが一番!)。
役者陣に関してはいわゆる“国民の創世”方式で、
日本人が“顔を黒く塗って、現地人の格好をして”演じています。
従って意外と違和感が少なく現地人に成りきっている、雪村いづみや三原葉子に比べて、男優達は“浮きまくって”いますが、唯一殿山泰司さんは見事に“胡散臭いマレーシア人(なんと名前は”イスカンダル!“)”になっていて、お猿と共に必見であります。
多くの人が楽しめる、“今は失われたジャンル”の代表作であり、
マレーシア国歌の基本旋律になったとの説もあるタイトル曲を始めとした、インドネシアの名曲を原語で楽しめる希有な音楽映画で、若き日の天知茂も出ていますよ!(ちょっと見付け難いかも)。

詳細評価

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