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人間魚雷回天 (1955)

監督
松林宗恵
  • みたいムービー 2
  • みたログ 36

3.59 / 評価:22件

大海原を舞う、白い無数の平和への伝書鳩

  • jasminetea_please さん
  • 2010年9月5日 13時14分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

いつも利用する図書館のひとつ、二宮町図書館で「傑作」で検索したところ、ヒットしました。(新東宝名画傑作選)

ゼロ戦の特攻隊はよく知られていると思います。このお話は空ではなく、海の特攻隊のお話です。この映画を見て、自分も人間魚雷回天の存在を知りました。

この作品に登場した若者たちは、一体何のために生まれてきたのか。命を授けられた意味、意義を見出すことができない。それが一番強く感じたことです。

未来を語ることも、自分の生命を見つめることも、できない。通常なら、自分の生命のエネルギーになるそうした行為が、全く必要ない状態におかれます。

戦争は、若者達の生命を二度奪いました。

まず、入隊後、人間性を抹殺されます。人間性など戦争には必要ない、ないほうが都合がいいという理由により、若者の人間性を奪うのです。

そして、実戦で、命を落とす。

二度、殺されたのです。


回天を載せた船は、出撃した後、方針が変わり、それがまた変わる・・・。
回天に乗る者たちは、極度の異常な緊張状態の中、右から左、左から右へ精神状態は大きく振られます。普通なら、気がおかしくなると思いました。

恋人同士の玉井少尉と早智子は、残されたわずかな生命の時間を使い、空想の世界に遊びます。
それは、実現は不可能な夢のようなものではなく、誰でも容易に実現できる内容のものです。そんなものでも、二人には実現できない、夢のようなものだった・・・ このシーンは、悲しくなりました。

恋人と別れた後の早智子のとった行動、そのシーン、ショッキングでした。
当時は、本当によくあったのだとしたら、本当に悲劇です。
多分、よくあったことなのでしょう。


ラスト、高ぶる波の海を背景に、この作品のメッセージがはっきりと示されます。
(今、現代の映画をみても、メッセージが文章で表示される映画ってあまりないですよね。自分は見た記憶がないです。)

そう、スクリーンにはっきりと映し出されます。
難しい文章でしたが、

「この世が平和になることを、切に願う そのためにこの映画を残します」
そうした内容でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 絶望的
  • 切ない
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