ここに泉あり
ここに泉あり
- 分
kt3********
4.0点
かって 日本には、ヒュ-マニズムに溢れた、あるいは、目指した時代があった。それは、高度成長の始まる前であり、現実生活は、厳しいが 弱者が方を寄せ合って生きていこうとした社会だ。もちろん どんな時代でも 狡猾な人間もいるし ひねくれ者もいる。 もう 解散 というオ-ケストラの存続を決めたのは、山間部の子供たちに演奏した後の感想だ。(この子供たちはもう一生音楽を聴く機会はない。炭焼きや木こりになるんだ)。そう思った主人公たちは、歯を食いしばってオ-ケストラを続ける。そこにあるのは そんな子供のために という信念だろう。 それを、ヒュ-マニズムというのかもしれない。また そんな 気持ちを善 とする価値感。 でも それって 上から目線。炭焼きや木こりに対する優越感。ピアニストにも上手い 下手があるのと同様に 上手い炭焼きと下手な炭焼きがいるだけだと思う。 善良な人間だけの社会は理想だけど息苦しい。ヒュ-マニズムはありがたいけど 人間のだらしなさ 悪い点に寛容な社会のほうが暮らしやすい。 なんて事を見ながら 少し 思った。 でも 良い映画です。戦後すぐの 貧しい社会もよく書けてます。 岸恵子は、本当に ピアノ弾いてるんでしょうか?うまいですね。 個人的に こんな映画は好きなんだけど 現代では うけないだろう。残念。
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