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ここに泉あり

bakeneko

5.0

ネタバレオーソドックスな指揮方法だなあ~

大戦直後の高崎市で市民オーケストラが群馬交響楽団へと成長する草創期の実話を元にした“戦後復興+楽団奮闘”ドラマの傑作で、普通の映画会社が食指を動かさなかったので、地元のプロデューサーと意気に感じた:今井正監督&劇団民藝、俳優座、劇団青俳、新協劇団、前進座の俳優達と山田耕筰を始めとした音楽家が協力して創り上げた映画であります(そういった面では映画の題材を地でいっています♡)。 まだまだ戦争の傷跡が生々しかった時代に、子供達や人々に音楽の感動を味わって貰うべく奮闘する音楽家達の苦悩と喜びを、様々な音楽に乗せて力強く描いた作品で、監督:今井正&脚色:水木洋子&音楽:團伊玖磨&撮影:中尾駿一郎という一級の映画陣と、岸恵子、岡田英次、小林桂樹、三井弘次、加東大介、草笛光子、千石規子、中村是好、東野英治郎、沢村貞子、十朱久雄、奈良岡朋子らの実力派俳優陣が大挙出演しています(本作でデビューしたのが大滝秀治でまだ髪の毛がふさふさであります。また、子役時代の浜田光夫ももの凄い音のヴァイオリンを聴かせてくれます)。 多くのポピュラーなクラッシック曲が演奏されるのも聴き所で、ロザムンデ序曲(シューベルト)ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス1世)ピアノ協奏曲第1番(チャイコフスキー)美しき青きドナウ(ヨハン・シュトラウス2世)フィガロの結婚序曲(モーツァルト)トロイメライ(シューマン)赤とんぼ(山田耕筰)交響的練習曲(フランツ・リスト)ロマンス(ベートーヴェン)交響曲第9番(ベートーヴェン)即興的幻想曲(ショパン)セレナーデ(ハイドン)ピアノ協奏曲 イ短調(グリーグ)、歌劇カルメン序曲(ビゼー)草津節…等が変型した構成のオーケストラや戦後の音楽解釈で演奏されます。 高崎を始めとした群馬県に長期地方ロケした作品でもあり、戦後の関東の山村の風景も観ることが出来ますし、トランペットや打楽器担当が軍楽隊出身だったり、会計に公職追放された警察署長(東野英治郎が好演!)が入ってきたり…と時代色も活写されています。 150分を少しもダレさせないで、戦後復興と芸術家の生き甲斐に感じ入らせる骨太な音楽ドラマで、音楽というものの根源的な意義についても考えさせられますよ! ねたばれ? 1,山田耕筰がオーケストラの面々の演奏を目にして自然とタクトを振り始めるシークエンスは「オーケストラの少女」へのオマージュです(ストコフスキー→山田耕筰ですな、でもディアナ・ダービン→小林桂樹というのは…)。 2,たしかに喫茶店の二階であんな音を出されちゃあ…

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