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大丈夫日記 (1988)

大丈夫日記/THE DIARY OF A BIG MAN

監督
チョー・イェン
  • みたいムービー 2
  • みたログ 43

4.11 / 評価:9件

ユンファの魅力を知ってますか?

  • lamlam_pachanga さん
  • 2010年11月16日 20時48分
  • 閲覧数 412
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

香港映画が最も輝いていた(と私が勝手に信じる)80年代、『男たちの挽歌』と共に颯爽と日本の銀幕に登場した彼は、一躍(香港映画ファンの間でのみ)ジャッキー・チェンと並び称されるスターの座を射止めた。但し、その映画が所謂香港ノワール(黒社会映画)だったこともあって、8割以上の人間からは、「ヤクザ」なイメージで見られることに。

「彼って、ハードボイルドな映画が得意な人だと思ってた」

この人の香港ノワール以外の映画が観たいと言う友人に、私なりにチョイスした映画(多くは『ゴッド・ギャンブラー』)を貸してあげると、必ずこんな台詞を返されます。

ノンノンノン。

皆さん、この機会にハッキリ言っておきますよ。

チョウ・ユンファにはね、得意も不得意も無いの。何をやってもチョウ・ユンファとして銀幕に映えるからこそ、彼は銀幕のスター(死語)と呼ばれるんだから。

ハードボイルド、ラブ・ストーリー、シリアス・ドラマ、そしてコメディだって。

と、言うことで『大丈夫日記』です。

個人的には、ユンファ本来の魅力って、この映画で見せた奔放極まりない「おふざけ」っぷりにあるんじゃないの?と、思わずにはいられなくなった、香港映画では稀少な「上質の」スラップスティック・コメディ。

「上質」とは言いましたが、基本的には香港テイスト満載ですからね。

くれぐれも、ハリウッド流の「ウェルメイド・コメディ」と勘違いしない様に。簡単に言うなら「ドタバタ劇」ってことなんで。

物語自体が、人を喰ってます。

悪い人ではないのだけど、女性にはからきし弱い(と言うかいい加減な)証券マンのファッツィ(チョウ・ユンファ)。そんな彼が、ふたりの美女(ジョイ・ウォンとサリー・イップ)に一目惚れ。なんと両方と婚約したものだから、さあ大変。ふたりとの甘い新婚生活を維持するために、同僚(レイ・チーホン)を巻き込んでの大騒動が始まった!!

ね。ちょいとふざけた設定でしょ。これを「上質」と呼んでいいものか迷ったんですけど、だってねぇ、映画自体が本当に楽しく、これ以上ないほど愉快に仕上がってるものですから・・・。

まあ断っておきますが、「俺(私)はハードボイルドなユンファにしか興味はない!!」と言う、純然たる香港ノワール志向のあなたは、絶対にこの映画を観てはなりません。

本作でのユンファは、凄まじいほどに壊れた(コメディ)演技を炸裂させています。

彼に「憧れ」を抱いてる人の、その「憧れ」を木っ端微塵に粉砕しかねないほどに。

テーマ・ソング「ベリーナイス♪」の熱唱と言い、あの「Dr.スランプ アラレちゃん」を歌っちゃったり、加えて数々の(だらしない)扮装を披露したり・・・映画終盤には相当情けない姿を晒すことになってますしね。

しかし、しかし。

この全てが本作の魅力になっちゃってるもんだから、観ていてもう微笑ましいやら可笑しいやら。

ユンファだけじゃない。

ジョイ・ウォンの美しさ(私は彼女目当てで観たものですから)、サリー・イップの美声(この人の本業は歌手です)、若き(?)ケント・チェンの愛嬌ある体型(今日でも全く変化なし)等々、共演者たちの奮闘振りも見逃せない。

但し、この映画でユンファに匹敵する印象を残すのは、やはり悲惨過ぎる同僚を演じたレイ・チーホンでしょう。

『男たちの挽歌』では、目をかけてもらった恩も忘れて、ホー(ティ・ロン)、マーク(チョウ・ユンファ)、キット(レスリー・チャン)を死地に追い込むシンを憎々しく演じた彼が、ここではユンファに良い様にコキ使われます。

断言しても良いですけど、この映画、ユンファ+美女ふたりのドタバタに大笑いしても、感情移入するのは、間違いなくレイ・チーホンです。

彼、可哀想過ぎる(涙)

まだ若いのに微妙に薄い頭髪(今現在は完全に禿げ上がってる事実)は元より・・・そのあまりの哀れさには、「今こそシンになって裏切りの銃弾を撃ち込め!!」と、これまたアホらしいことを考えたり。

ホントに悲惨なんだもん・・・。

本作の監督であるチョー・イェンについては詳しくないので、他にも彼の映画を観てるのかどうかすら解りません(本作を観たのも20以上前ですしねぇ)。どちらにせよ、香港のコメディ映画と言えば、90年代以降はすっかりチャウ・シンチーのナンセンス・コメディが主流になった感がありますが(あれはあれで面白いけど)、やっぱり、『大丈夫日記』ほど「上質な」笑いを提供してくれた香港映画ってのは記憶にないなぁ。

チョウ・ユンファ天性の魅力を堪能するなら、多分、『大丈夫日記』以上の映画ってのは、ないと思います。

未見の方には、ぜひともお薦めしたい映画、です。

詳細評価

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