銀座二十四帖
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(2件)


  • ぴーちゃん

    5.0

    川島雄三隠れた名作

    昭和30年の日活映画。監督川島雄三。出演三橋達也、月丘夢路、北原三枝、大坂志郎、芦田伸介、岡田真澄、浅丘ルリ子など。 お話のあらすじはこうだ。 銀座の花売りコニィ(三橋達也)は花屋を営みながら、孤児のルリちゃん(浅丘ルリ子)らを学校に行かせたり舎弟のジープ(佐野浅夫)の面倒を見ている。最近そのジープが止めていたヒロポンに手を再び染め始めたのではないかと疑っている。そんな折、花屋に京極和歌子(月丘夢路)が薔薇を買いに立ち寄り二人は出会う。和歌子は夫と別居中で銀座で店を出して自立したいと考えている。和歌子のもとにはモデル志望の姪・仲町雪乃(北原三枝)が大阪から上京してくる。そんな時、画廊に和歌子の少女時代の油絵が出されてそのイニシャルGMしかわからないことが話題になる。その絵を描いた放浪画家を慕っている和歌子のもとには偽者のGMが現われたりする。そのGMに並々ならぬ関心を抱くコニィであった。果たしてGMとは誰か?そしてその正体は? これは近頃になく嵌った!個人的には傑作の部類に入れていい範疇だと思う。川島雄三はやっぱりすごい才能の持ち主だ。「幕末太陽傳」がつとに有名だが、オイラが最初に川島雄三作品で度肝を抜かれたのが「特急にっぽん」(1961)という作品。黒澤さんの「天国と地獄」でおなじみの大迫力のこだまのシーンと同様のシーンがその何年も前に撮られていたのか!と仰天したものだ。  この映画に関しても、以前からオイラは映画というのはストーリーもさることながら、その資料的価値という側面を高く評価している。すなわち映画は映像と音楽の総合芸術であるから、その作品が公開された当時の音楽やファッション、流行、文化といったことが書籍や写真などより圧倒的な情報量を伴って入手することが出来る素晴らしいツールたりうるのだ。たとえ、それがどんなに芸術とはかけ離れたプログラムピクチャーであったとしてもだ。そういうことにいち早く気づいていたのが、じつは川島雄三ではないかと思ったりしている。時代を切り取るというか、時代の空気感や風景や文化を映画に記録しておく価値を見出していた数少ない監督ではないかと思うわけである。 この作品の公開は1955年だが、この昭和30年当時の銀座が実に丹念に描写されている。川島雄三自身も「当時の銀座を記録するのが主で、ストーリーは従になった作品」と語っているそうである。空撮からそれこそ銀座の路地裏までって具合。すごいのが有楽町駅前の「そごう」が建設中だったりする。まだ当然首都高もないから、川が流れてたりする。公園は緑がいっぱい。 それに冒頭から森繁久弥の軽妙なナレーションが入る。というかこれはナレーションというよりも今のビジュアルジョッキーの走りみたいなものか。おまけに主題歌の「銀座の雀」という歌も歌っている。これはそこそこのスマッシュヒットを記録したらしい。その「銀座の雀」が劇中バンドや流しのひとが歌ったりしていろんなアレンジで繰り返し出てくる。これは嵌るわ!  そして、とにかく登場人物が多彩で面白い。もう可憐という言葉しか見つからない浅丘ルリ子の圧倒的な美少女ぶり!月丘夢路のこっちがいやになるくらいの典型的な女性っぽさ。そこのあなた、ゆめゆめ朝丘雪路と月丘夢路の区別が付かないなんていってはいけません(笑)  でもやっぱり特筆すべきは北原三枝です。存在感がちがう。顔はどう見ても高見恭子しか見えないんですが(笑)、抜群のプロポーションで画面に釘付けにされちゃいます。それに目を見張るコメディエンヌぶり。なんていうかこの作品では大坂志郎が好きっていう設定なんですが、台詞のテンポ、間がいい。おきゃん(もう死語ですね)な現代っ子(この当時のね)って言う雰囲気がピッタリ!後の裕次郎作品では全く影を潜めてしまって、裕次郎の相手役って枠に自ら進んではまっていくのとは全然違うはつらつさが伺えます。こうしてみると厳然として女優という観点から見た場合、北原三枝が裕次郎と知り合ったという事実は彼女の女優としての可能性を極めて狭めてしまったという意味において「不幸」だったと言わざるを得ません!

  • dqn********

    4.0

    銀座とそこに生きる人々を描いた風俗ドラマ

    タイトル通り銀座を舞台にした人間ドラマ。銀座を愛する花売りに三橋達也、夫と離婚協議中の人妻に月丘夢路、その姪に北原三枝、三橋の花屋で働く女の子に浅丘ルリ子(若い!)、そしてナレーターに森繁久弥。 後の川島作品のような個性の強さは無いが、当時の銀座の様子(街並、キャバレーなど)と、そこに生きる人々を描いた風俗映画として評価できる。新宿や渋谷が栄える前、文化の中心だった銀座を映した記録映画的意味もあるのだろう。 月丘の肖像画を描いた頭文字GMの正体と、銀座の裏の顔=ヒロポン密売を絡めた展開。ストーリーはオーソドックスだが、森繁のナレーションが巧いアクセントになっているし、清楚な人妻の月丘(1922年生まれ)、自由奔放な北原(1933年生まれ)、可憐な少女の浅丘(1940年生まれ)と、3世代の女優の魅力が楽しめる。終盤のフィルムノワール的雰囲気にもニヤリ。

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