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新・平家物語 (1955)

監督
溝口健二
  • みたいムービー 9
  • みたログ 155

3.39 / 評価:33件

驕る平家、平家以上に驕る連中。久しからず。

  • 百兵映 さん
  • 2016年8月17日 13時50分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 清盛の話はNHK連続ドラマで観ているから、はて、これはどんなかな?って、ショップの目の前にあったのを借りて帰った。TVで1年がかりのドラマがたった一本のDVDで?と半信半疑だったが、一本終わって初めて気がついた。これには続編、続々編があるのだ。つまり今回のこれは全体の三分の一、“清盛世に出る”までの部分。

 お馴染みの清盛出世の初期部分だが、結構面白く観た。平安貴族の番犬でしかないお抱え武士がやがて番犬集団・武闘集団にのし上がっていくプロセスが入念に描かれている。特に、寺社僧坊軍団との反目は映画ならではの迫力があって面白かった。

 「驕る平家は久しからず」とはよく聞くフレーズだが、なぁに、驕り昂ぶっていた連中とは誰たちのことか。宮中の昂ぶり、貴族の傲慢、お抱え寺社が武装するのぼせ振り、……、如何なものか。「久しからず」というのは嘘で、今でさえも当時の権勢の末裔には何らかの形で先祖のご威光がついて回っている。一度でも勇名を馳せて有名になっておけば、一族郎党とそのぶら下がりには後世まで恩恵がついて回るのだ。

 権力のひっくり返りの顛末を、勝者が書くと歴史となり敗者が書くと文学になる。私等には文学の方が面白い。この映画を見ると、つい、頑張れ清盛と応援したくなる。この後に来る源氏こそ、「久しからず」と思ったりもする。「驕る……」というのは、おそらく先祖代々一度も美味しい思いをしたことのない大多数の虐げられた下層民の合言葉・ブーイングだったのでは?

詳細評価

物語
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