ここから本文です

野菊の如き君なりき (1955)

監督
木下恵介
  • みたいムービー 11
  • みたログ 74

4.20 / 評価:20件

『野菊』は、『墓』ではなくて庭に植えよう

  • 百兵映 さん
  • 2013年10月14日 10時45分
  • 閲覧数 934
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 明治の小説を、新憲法下で映画化された作品を、ハイテクDVDで観る。このタイムラグを頭に入れておくべき。それぞれの時代に、どのように受け入れられたかということにも関心が行く。

 悲しいと言えば悲しい。気の毒の限りだ。しかし、当時は珍しいことでもなかったろう。ピュアな恋心を忘れられない方が珍しかったのでは……。これをまた自伝的小説にするとなると、これもまた社会的にはショックではなかったろうか。

 今となっては、こういう純粋な男女を描かれると、感傷的に過ぎて? 観ていて照れ臭くもある。二人の棒読み的な演技が却って初心な感じを表出する効果になっている。

 原作は明治末期。表向きは“維新”が軌道に乗って新しい社会が現出していただろう。しかし、社会生活の“冠婚葬祭”といった人々の暮らしの根幹については封建社会のままだった。今では小学生でも知っている「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」という憲法はまだまだ遠い先のことだった。

 明治の小説を、新憲法下で映画化された作品を、ハイテクDVDで観る。このタイムラグを頭に入れておくべき。それぞれの時代に、どのように受け入れられたかということにも関心が行く。

 今、「両性の合意のみ」の男女関係が作り出す悲喜劇の数々。あっけらかんと、バツイチだ・バツニだと口にされる時代。この古臭い『野菊…』が逆に新鮮に感じられるのが不思議だ。決して『墓』に葬られてはいないのだ。うちの庭にも野菊とリンドウを植えてみようか。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ