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へそくり社長 (1956)

監督
千葉泰樹
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3.33 / 評価:6件

時代の空気を感じる

  • gar******** さん
  • 2009年9月3日 10時50分
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

会社では偉大な創業者と比較され、家では妻と恐い姑に頭が上がらない明和商事社長・田代善之助(森繁久彌)の奮闘(?)を描いたコメディー。
東宝のドル箱シリーズとなる社長シリーズの第1作です。以前、テレビでちょっとだけ見たこのシリーズの『サラリーマン忠臣蔵』が面白かったので、シリーズの最初から見ることにしました。
まず、この作品の魅力は何といっても森繁さん扮するかなり頼りなさそうなおっちゃん社長とひと癖もふた癖もありそうな社員や周囲の人たちです。愛嬌ある田代社長の森繁さんに、「すさまじきものは宮仕え」とため息をつくちょっと気の毒な秘書を演じた小林桂樹さん、田代社長の義妹を演じた八千草薫さんの瑞々しい美しさ、脇を固める古川緑波さん、そして森繁さんの田代社長と実に息ぴったりなどじょうすくいを見せた独特の存在感がある三木のり平さんまで、実に多種多彩それぞれの個性を生かした役回りで80分少々の映画に濃密なおもしろさと楽しさを与えています。こういう個性的な俳優さんを生かしたコメディーは、最近まったくないので実に新鮮でした。
そして、もう一つのこのシリーズの魅力は、時代の空気をふんだんに取り入れたこと。この映画は、昭和31年のお正月映画として封切られています。「もはや戦後ではない」と言われ、高度経済成長元年となった昭和30年の翌年ということで、徐々に日本社会全体が豊かになっていく時代です。その当時の新しい価値観や流行を映画の中に生かしたという点で、この映画は今見る人にとってタイムカプセルを覗きこむようなおもしろさがあります。
特にそれを感じたのは、冒頭の社長と越路吹雪さん演じる妻の食事に関する会話。米の飯が食べたい社長に対して妻は、「日本人が短命なのは、米食のせいですってよ」とパン中心の洋食を勧めます。現在では、日本人の長寿の秘訣は米を中心とした和食であると言われていることを考えると、この50年で食事への見方が大きく変化したことが伺えます。また、まだ創世期のテレビの健康番組についてのネタがあるなどちょっとしたセリフやシーンに時代の空気が感じられました。流行や世相の移り変わりを楽しむのもおもしろいかもしれません。
個性たっぷりの俳優陣と時代の空気を楽しむシリーズ。これから全作を見ていくのが楽しみです。
<再開の挨拶>
しばらくレビューが休みがちでしたが、9月からはまた本格的に映画レビューを再開していきます。また、よろしくお願いします。

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