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子供の眼

bakeneko

5.0

ネタバレお客が買ってきたケーキをワンちゃんに!

佐多稲子が1955年に刊行した同名小説を、木下恵介ファミリー:弟子の川頭義郎監督、脚本:松山善三、撮影:楠田浩之、音楽:木下忠司…が映像化したもので、肉親のエゴに苦悩する夫婦とその妹を冷徹に見つめてゆきます。 小学三年生の修(設楽幸嗣)の父親でサラリーマンの俊二(芥川比呂志)は歯科医の幸子(高峰三枝子)と再婚したが、長らく母親代わりだった妹の喜世子(高峰秀子)が引き続いて家事を世話していた。幸子の父親(笠智衆)が中風を発病した為に幸子の同居を期待した実家の歯科医院の母(滝花久子)は、俊二一家の世話を継続させるために折角上手くいっていた喜世子と技師(大木実)との縁談を壊そうとして…というお話で、喜世子の親友役で丹阿弥谷津子も笑顔を魅せてくれます。 決して悪い人じゃないんだけれど、肉親ならではの譲歩を押し付けてくる…どの家庭にもある問題者が起こす卑近な葛藤をリアルに見せて、家族&親戚付き合いの難しさを浮かび上がらせている辛口ホームドラマで、小津安二郎映画に描かれた家族愛を陽とするならば、影となっている“血縁者だからこそ切り捨てられないエゴイズム”に焦点を当てている作品で、小津映画に描かれた家族愛は希薄になっていますが、こちらの問題は現在でもまざまざと現存していることに思い当たりますよ…(困ったもんだ) ねたばれ? で、ワンちゃんはどうなったの?(まあ 当時は捨て犬も多かった一方で拾い犬も多かったんですけど…(私も後の愛犬を空き地で拾いました)。

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