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警視庁物語 逃亡五分前

osu********

4.0

ネタバレ全シリーズ60分程度で時短におすすめ

1956年制作で、特有の娯楽作品中心であった当時の東映としては異色の作品です。脚本は、当時の現職警視庁鑑識員だった長谷川公之という方で、この後シリーズ化もされ、この方が担当されてます。よって、現在、われわれが知っている刑事もので見慣れた地道な捜査などの描写は、リアルであり、当時としてはもの珍しく、全24作の名物シリーズとなった要因と思われます(1964年まで続く)。 その後同様のモチーフで「特別機動捜査隊」としてテレビへ。この東映&NET(現テレビ朝日)制作の刑事ものは、以降、「特捜最前線」、「はぐれ刑事 純情編」などに継承され、現在の「科捜研の女」や「相棒」へと続いてるのです。ただ「相棒」は、スーパーヒーロー的な活躍があるため、警視庁物語シリーズの正当な末裔でなく、むしろ冒頭で述べた東映の特有な娯楽ものに近いでしょう。 余談(長い)はさておき、この「逃亡5分前」という作品について述べましょう。容疑者をホテルの部屋の前で張り込みをしてたら、部屋の窓から容疑者は逃亡。これがタイトルの所以かと思うが、当時としてはそんな描写も新鮮だったのかなと思いました。その犯人を演じるのが伊藤久哉で、その後東宝へ移り、数々の特撮映画やウルトラシリーズにも出てるが、東映作は珍しいと思いました。 また、1950年代後期当時の日本(東京)が見れるというのが私にとって一番のこの作品の魅力です。スタジオ撮影よりロケ主体。今回の作品では浅草が舞台で当時の映画街が写ります。看板にディズニーの「ファンタジア」上映中。1940年制作のこの作品は、日本初公開が1955年で、ちょうどこの映画撮影中に公開中だったのかと興味深い。 さらに当時の風俗描写も興味深深で、露天商の男に聞き込みをするシーンがありますが、ここの売り物はお御籤で、文鳥がお御籤の紙を咥えてくるというシステム。今こんなのやったら愛護団体からお叱りを受けるか、もしくはそれを撮ってネット動画で流すとかわいいとなるか?・・・なお、このお御籤、70年代には本物の文鳥でなく、模型の機械仕掛けの鳥が咥えて出てくるシステムでデパートのゲームコーナーにあったような・・・なつかしい記憶が蘇りました。さらに付け加えると、この露天商を演じるのが、地獄大使こと(若き日の)潮健児だからたまりません。 以上、ほとんどが余談みたいなレビューとなりましたが、この作品(シリーズ)はストーリーよりも、このようなことを思いながら見るのが私にとって楽しみです。

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