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風船 (1956)

監督
川島雄三
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3.55 / 評価:22件

川島雄三の作家性がみえる異色作!

  • rxt******** さん
  • 2020年8月20日 18時38分
  • 閲覧数 221
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

かつては画家を志し、幸せな日常に悩みながらも会社社長として社会的には成功していると見られる村上春樹(森雅之)や、障害と向き合いながら生きる春樹の娘・珠子(芦川いづみ)、そして村上春樹の息子・圭吉(三橋達也)への一途な想いに苦悩する戦争未亡人で今は水商売をしている久美子(新珠三千代)たちと、対して世俗的な生き方を当たり前のように甘受しているクールな圭吉や、村上春樹が若い頃に師事した画家の息子で今ではナイトクラブ経営者となった正隆(二本柳寛)…………そうした多種多様な登場人物たちを鮮やかに描き分けながら、物語は風船のようにさ迷う市井の人々の葛藤を展開させてゆく。

川島が描くヒロインの悲劇には、監督の女性への暖かいまなざしと冷徹な視点を併せ持つ。

本作の清涼剤的な存在でもある芦川いづみ扮する珠子も、幼少時にかかった小児麻痺の後遺症で、左手に若干の麻痺が残り、勉強もおくれがちというハンディキャップを背負っている。

森英恵の衣装は女優のそれぞれのキャラクターの描き分けに貢献し、彼女たちの女優としての魅力をさらに引き出している。

同じ川島作品でも『洲崎パラダイス・赤信号』『幕末太陽伝』『しとやかな獸』のような小気味良さとは異質さを感じるが、油の乗り切った川島雄三の才気煥発、作家としての資質が随所に見られ、彼の作家性がよりクローズアップされた作品で、本当の川島雄三ファン、日本映画ファンなら、是非お薦めしたい。

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