風船

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風船
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(11件)


  • yam********

    4.0

    ネタバレ糸の切れた風船のように寄る辺ない女性達

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • ギタリストだけど

    4.0

    悪人と善人

    悪人?と善人?と色分けが、はっきりし過ぎて、わかり安い点はあります。 ただ悪人が罰を受けたわけでなく、善人が幸福になったわけではない。それで、すっきりした感想ではなかった。 しかし、人の幸不幸は本人しだい。 簡単な話ではないということか?

  • サラダ

    4.0

    川島雄三の作家性がみえる異色作!

    かつては画家を志し、幸せな日常に悩みながらも会社社長として社会的には成功していると見られる村上春樹(森雅之)や、障害と向き合いながら生きる春樹の娘・珠子(芦川いづみ)、そして村上春樹の息子・圭吉(三橋達也)への一途な想いに苦悩する戦争未亡人で今は水商売をしている久美子(新珠三千代)たちと、対して世俗的な生き方を当たり前のように甘受しているクールな圭吉や、村上春樹が若い頃に師事した画家の息子で今ではナイトクラブ経営者となった正隆(二本柳寛)…………そうした多種多様な登場人物たちを鮮やかに描き分けながら、物語は風船のようにさ迷う市井の人々の葛藤を展開させてゆく。 川島が描くヒロインの悲劇には、監督の女性への暖かいまなざしと冷徹な視点を併せ持つ。 本作の清涼剤的な存在でもある芦川いづみ扮する珠子も、幼少時にかかった小児麻痺の後遺症で、左手に若干の麻痺が残り、勉強もおくれがちというハンディキャップを背負っている。 森英恵の衣装は女優のそれぞれのキャラクターの描き分けに貢献し、彼女たちの女優としての魅力をさらに引き出している。 同じ川島作品でも『洲崎パラダイス・赤信号』『幕末太陽伝』『しとやかな獸』のような小気味良さとは異質さを感じるが、油の乗り切った川島雄三の才気煥発、作家としての資質が随所に見られ、彼の作家性がよりクローズアップされた作品で、本当の川島雄三ファン、日本映画ファンなら、是非お薦めしたい。

  • ballmakkakkatone

    2.0

    川島監督の作品としてはお勧めでない方

    いやすっかり、どの役柄にも感情移入、共感する所がさっぱりないまま終わっちゃって、私映画館で一人どうしましょう。みたいな作品でした。 (新珠さんが)死ぬほど惚れた男が最初っから最後まで薄情男のまんまで、あの男のドコがそんなに良かったんだか新珠さんには小一時間問い詰めたい位ですし、その男に寄っていく北原三枝さん(衣装は森英恵で豪華)の心情も読めずさっぱり謎。三橋美智也もこの作品に於いてはそんなにキラキラいい男オーラ出してる訳でもなく、何がいいんだか謎。 芦川さんの役柄はまるで天使なのですが、それがまあ天使過ぎて見ていて後ろめたくなる位。 日本映画ってそもそも、娯楽をさっぱり追及する気がない方向性ってのはあって(鑑賞後どんよりジャンル)、これは正しくその筋の作品なんですけど、そういう中でも日が経って効いてくる作品と案外そうでもないのがあって、これは多分後者の方かな。 芦川さんが最後、ちょっと救いようがある行動を取るんですけれど、私は救われませんでした。

  • ami********

    4.0

    一人一人になりきれますね

    目が覚めたら、そこに見える景色が美しいでしょ? 生きてるって幸せ・・・ とても可愛らしい娘珠ちゃん が、自分を殺め・失敗し苛まれる愛人久美子を慰める。 そんな可愛らしくも美しい場面があり、、、 カメラ会社で成功したが、・・・まあ、色々あって 老後に京都の小さな部屋で絵描きをすると、全てを 捨てて決心するも、確執のある女房には反対され、後の 人生を共にしてくれず、可愛い娘珠ちゃんにも・・・ そんな白髪初老の父親春樹。 新しい愛人に現を抜かしている間に、自分の元愛人久美子が 自殺を図り、挙句に・・・ そんな甘えた生活に釘を刺され、自分で生きていくことを 決心する息子。 その一人一人(父親・息子・娘・元愛人・愛人・そしてもう一人) にいつの間にかなりきって考えてしまうような作品です。 ちなみに私が見ている昭和初期の映画ではお馴染みの俳優が多い 中で、始めた見たのが、あの石原裕次郎さんの奥さん!北原三枝さん それと、うちのカミサンが見つけたのですが、衣装デザイナーが あの森英恵! そして、主役の父親の役名が「村上春樹」! ・・・ ってこれはどうも関係なさそうで。。

  • km_********

    4.0

    風船のように自由に・・・

    これまで川島雄三監督の一連の作品に特に親しんできたわけではない上、『しとやかな獣』をはじめとするあの泥臭さがどうにも馴染めなかった私にとって、この『風船』は比較的すんなり受け入れることのできた佳品である。 人物描写がいささか純化されすぎたきらいがあり、この点に本作の低評価の一因もあるようだが、私としてはこの程度の純化は、親と子ないし世代間対立を強調するにあたっては必要だったと思うし、また十分に許容範囲内のものだと思う。 純化の最たる例である珠子役の芦川いづみはとても愛くるしく描かれており、本作の製作意図の一つであった芦川の魅力を全開花させるという目論見は十分に成功していると思われる。 ただ、久美子役の新珠三千代を自室に呼び込み披露する自作スケッチのいずれもがB-29とおぼしき飛行機を中心とした奇怪なものばかりで、珠子の白痴美の潜在裡に戦争の忌まわしい過去を据えているところなどはいかにもブラックユーモリストである川島らしい描写である。 村上春樹役の森雅之の突拍子もない言動が珠子の白痴美と一脈通じるところなども面白いが、それ以上に、老後の生活のあり方という極めて今日的な課題をあの当時すでに取り上げていたというのは、川島ないし原作者の大佛次郎の慧眼というべきであろう。 大佛次郎という作家は私の馴染みではなく、原作『風船』も未読であるが、風船の擬人化が本作の意図するところであるとするならば、二本柳寛と北原三枝の役どころもさりながら村上家のメンバーの描写も個々のエゴを強調しすぎたためにその“浮遊”加減をうまく出せなかった節がある。原作未読ゆえにいいかげんなことも言えないが、この『風船』という題名は、擬人化ではなくて、むしろ人間のあるべき姿を捉えた、いわば理想像の象徴という意味合いが強いのではないかという思いが私にはある。すなわち、社会のしがらみを全て放擲して京都に引きこもる“自由人”森雅之のように。 …もっとも彼とて、若かりし頃の京都滞在の思い出や娘との絆といった“過去”から解放されることはないという意味で、風船のような“健全な自由人”にはなりきれない「人の悲しさ」を描いたものといえるような気もするが、どうだろうか。

  • tkr********

    2.0

    多すぎる豪華出演陣をいかしきれず

    「洲崎パラダイス」や「しとやかな獣」の濃い人間模様からすると、 本作はやや中味が薄く、凡作と言わざるをえない 「洲崎~」の三橋達也、新珠三千代、芦川いづみに加えて森雅之、左幸子、北原三枝 豪華なキャストに期待したものの、今回はそれがむしろ裏目、 多すぎる登場人物の紹介だけで終わってしまった観がある カメラ会社を経営し成功した父親、 あるとき彼は、貧しかった頃に下宿していた家の娘が ヌードモデルになっていた事を知り、彼女を訪ねる だがそこで彼女から「心はきれいなまま」という話を聞いた事で、 裕福になった代わりに何かを失った自分や家族の行いをもう一度振り返ることに... 純粋無垢の少女や愛人の自殺未遂など まあ、いささか話が道徳的すぎて 今としてはちと古臭い

  • dqn********

    4.0

    見応えたっぷりの風俗群像劇

    風俗群像劇。原作は大佛次郎、衣装は森英恵。主人公の会社社長に森雅之、その息子に三橋達也、娘に芦川いづみ、三橋の恋人に新珠三千代、三橋を誘惑するシンガーに北原三枝など。 虚栄・駆け引き・打算・裏切りに満ちたバルザック的世界と、そこで風船のようにさまよう人間たちを巧みに描き見応えたっぷり。適所適材の俳優陣が演じる登場人物たちが素晴しく、特に芦川いづみのピュアな魅力は出色。 クラブ経営者・都築(二本柳寛)のニヒルさ、シンガー・ミッキ-(北原)の妖艶な魅力。二人は社長息子・圭吉(三橋)を誘惑するゲームを企む(そこには恋愛関係を匂わせる二人の、お互いに対する駆け引きがある)。 そして、それにあえて乗る圭吉(三橋)のエゴと傲慢さ、そんな男を愛した久美子(新珠)の弱い立場にいる女のはなかさ(自殺を図る)。打算的な人間たちとその犠牲になる女性。 対して、そんな世界に生きながらも人間らしさを失わない人々。会社社長・村上(森)の毅然とした態度に尊敬の念を覚え、娘・珠子(芦川)の純真さを応援し(いつも笑顔の珠子。だからこそ彼女が泣く場面にはグッとくる)、村上の知り合いの姉弟(左幸子と牧真介)の貧乏ながらも明るく生きる強さに共感する。 幸福なラストシーン(結局、家族はバラバラになり一人京都で絵を描く村上だったが、ある日、盆踊りの中に娘の姿を見つける)には、胸が高鳴った。近代的人間関係のクールさと人間の純粋さを共に描いた秀作。

  • ********

    4.0

    いい風船、わるい風船、見物する風船

    川島監督は小津監督の下で助監督もしていたというから、女性ふたりが並んで立つ構図や屋内のカットつなぎなどはお手のもの。バスでは乗客みんなが同じリズムで揺れるのもお約束です。基本はしっかり抑えてる。 その上で、戦後解放されてしがらみがなくなった人たちの行方を、父と子の違いとして描く大仏次郎原作の小説を映画化。「いい風船」である父は因習にしばられず、自由に即断即決。事業に成功してもお金にしばられない潔さ。一方、「わるい風船」である息子は、優柔不断でわがまま。金で解決できないものはない。あなた一筋の女(新珠美千代。適役!)に自殺されてしまいます。 富める者と貧しい者。一途な女と浮気な女。現在と過去。ふたつの風船はその間はふわふわ漂う。 そして肝心なのは、「見物する風船」である親戚の男。男は自分で「わるい風船」を焚きつけて成り行きを楽しむ。そして私立探偵のように事件の中心をうろつきます。自分で事件を作ってまきこまれ、冷やかに推移を見守る。典型的ハードボイルド。 もちろん、登場人物はみんなふわふわしているのでほかにも「風船」はありますが。小児麻痺の妹は「ピュアな風船」ですかね。誰もがかわいがる。 そして最後に。「いい風船」の父親(森雅之)の名前はなんと「村上春樹」。90年代以降は絶対に映画に登場できない名前です。この映画は56年。まさかここに名前の由来が・・・

  • tak********

    4.0

    芦川いづみの無垢の輝き

    芦川いづみがとにかく愛くるしい。 無垢の輝き。 ラストシーンは泣ける。 直前の森雅之の一連のカットが効果的。 三橋達也は「愛のお荷物」の時の様な 愛嬌のあるドラ息子役のほうが好きだな。 北原三枝も「愛のお荷物」の時の様な 知的な役のほうがカッコイイ。 新珠三千代は顔立ちもせいか、暗めの役がよく似合う。 左幸子はあまり出番が無いけど、この人の笑顔と笑声は作品を明るくする。 これほど善と悪がはっきりするのも珍しい気がする。 基本的に悪意が充満してるし、 ドロッとした話だけに あまり好みのストーリーじゃないけど、 その分芦川いづみが引立ったとも言える。 京都はやっぱイイ。

  • sei********

    2.0

    ちょっと冴えがない

    川島監督1955年の作品 北原三枝、左幸子、芦川いづみ、新珠三千代の四人の女性を描いているが、それぞれを描ききれていない。金と愛が絡む今風の話しなのだが、進行に冴えがない。 川島監督はやはりブラックユーモアがないと駄目なのか・・・と思ってしまう。 北原三枝のエキゾチックオーラ、芦川いづみの純粋清潔なオーラが目立った。

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