妻の心
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(6件)


  • ami********

    4.0

    成瀬と三船

    久しぶりの成瀬映画。 これで33作品目の鑑賞です。とっても楽しみに見ました。 成瀬としては、後期のいわゆる女・成瀬映画で、映画開始からストーリーが見える ような筋書きでしたが、キャストに惹かれる良い映画でした。 デコちゃんは、必須ですけど、やはり見所は三船でしょうね。 成瀬監督の映画での三船についてよく言われるのが、濃すぎるキャラが浮きまくる ってことですけど、この映画の前に出ていた石中先生でもそうでしたが、黒澤の 三船とは違う、雰囲気俳優といった感じで、溝口監督でいうところの、 ドレミファソラシドの「ファ」が黒澤の三船で、「ド」の演技をしつつ、「ミ」の キャラが出てくるのが成瀬での三船です。 この三船の妹に杉葉子という、これまた濃くて美しい女優の起用は素晴らしい配役 だと思います。 他も、デコちゃんの旦那に小林桂樹、その兄に千秋実、その嫁に中北。 いつもながらの面々で安心して鑑賞できる作品です。 成瀬映画の導入編としてもオススメです。

  • いやよセブン

    4.0

    昭和30年ごろのホームドラマ

    1956年製作、監督は成瀬巳喜男。 高峰秀子は薬問屋のイメージを残した薬局の嫁で、夫は家を出た長男(千秋実)の代わりにあとを継いだ次男(小林桂樹)。 姑と小姑はいるが、小姑は結婚が決まっている。 夫と相談して店の空き地で喫茶店をやろうと金策に走っていた。 予算が膨れ上がり、借金の相談したのが友人の兄で独身の銀行員、三船敏郎だった。 そんな折、兄夫婦が勤め先が倒産したとかで、子供を連れて転がり込んでくる。 再起のために借金を頼まれるが、そんなことをすれば喫茶店をあきらめなくてはならない。 長男夫婦は姑を味方につけ、反対しているのは嫁一人みたいになってくる。 閉塞的な状況で。夫は芸者遊び、高峰秀子は三船敏郎に魅かれる。 大きな山場があるわけでもなく、どこにでもあるような話を淡々と描いていく。 当時の女性の余所行きは着物、みんな美しい。

  • nar********

    5.0

    映画の教科書

    今更なのですが、とにかく脚本と演出が卓越、そして粋。役者の表情と台詞でその人物の状況や思いを表現しているのだから素晴らしい。お金をかけなくても上質な映画が出きるのだという見本のような作品。

  • inu********

    5.0

    三船敏郎が浮いている

    女は気分によって態度が変わる。 その表現方法、演出が秀逸で、監督は洞察の天才。 居候で、家族がギスギスしたり、旦那が浮気をしたり 家族のどこでもありそうなもめごとをいきいきと描いている。 あんな頼りなくて、冴えない旦那にも妻は嫉妬するから 人間て面白いですね。 風景や撮影方法が寅さんに少し似ている。 ただ、三船敏郎の銀行員にしてはガタイがよすぎるし、人が良すぎる印象。 ミスキャストか演出不足か。。。。

  • チーズ

    4.0

    寡黙で雄弁

    タイトルは古めかしいけれど、ここに描かれている人間の機微は全然古びていない。現代の人が家庭でいろいろ感じるようなちょっとした気分などがうまく描写されている。 ぐだぐだした説明なしにちょっとした表情ですべてを表現しているこの映画のなんと成熟していてかっこいいこと。 そして成瀬監督のものは映っている昭和の風景がすばらしいものが多いけれどこの映画もそうで、とっぷりとその空間を味わえる。

  • ootutaro

    5.0

    ★昭和30年代初頭の雰囲気に浸れる

    ●ありふれた題名からは想像できないほど、よく出来た映画だ。「さすが成瀬巳喜男」と思わせる作品。高峰ファンでなくても、この映画の評価は高いと思う。 ●どこの家庭にもあるような小さなトラブルをめぐる夫婦間の感情の機微を、細やかに丁寧に描いている。そうした監督の要求に俳優の演技力が見事に応えている。このまま、現代劇に置き換えても、十分に通用する脚本、演出だと思う。本来、ホームドラマとはこういうものだったのかも知れない。 ●ついこの間まで現役で活躍していた俳優たちの、20歳代、30歳代の姿を見るだけでも十分に楽しめる。高峰秀子はこの時31歳だが、彼女の知的な美しさは最高潮に達していたのではないかと思える。中北千枝子も上品な美しさを漂わせているが、高峰の美しさに負けて目立たないのが不思議だ。驚くのは根岸明美が出演していること。この時、20歳前後だと思われる。三船敏郎も銀行員の役で出ているが、三船の演技力の幅広さに改めて感心する。「羅生門」や「七人の侍」で見せた粗野な役柄と、この映画や「静かなる決闘」、「醜聞」で見せた知的な雰囲気は、とても同じ俳優とは思えない。三船は知的な役柄のほうが合っているのではないかと思う。その他、杉洋子のマニッシュな雰囲気も実にいい。小林桂樹や千秋実などは、若い頃からあまり雰囲気が変わっていないと思う。そうした変化を見るのも楽しい。 ●映画全体を通して随所に映し出される風景、特に昭和30年代初めの地方都市の町並み、たたずまいなどは、この時代に生きた人間にとって郷愁を誘うには十分過ぎる。古い商家の台所や食器棚、鏡台、遠くの親戚が訪ねてきたときの挨拶のしかた、新装開店の薬局前で休憩する「チンドン屋」の姿、街角のホーローの看板など、とても懐かしくなる。 ●余談だが、昭和32年頃から「セルフ方式」の店舗が流行しはじめて、商店街の様子が大きく変化する。この映画では、そうした変化が起きる直前の地方商店街の様子を見ることが出来る。現在、50歳代以上の人は必見だと思う。見て郷愁に浸ってください。

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