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月形半平太

おおぶね

3.0

「月様、雨が」はなかったのね

 子どもが小さい頃、ママの背中におぶさって「ママ、チュキ」と言った。  ママは「ありがとう、ママもよ」と返していたが、僕は指が空を指しているのを見ていた。  「ママ、月(見てよ)」だった。 雛菊「月様、雨が…」 月形「春雨じゃ、濡れてまいろう」  というようなしっとりしたシーンがなかったので驚いた。  あまりにもあっさりと出てきた。春雨も浮かばれまい。  ということで、もっと分かりやすいというか、半平太入門映画かと思っていたが、人間が複雑に絡まって(というか、スターがいっぱい出ていて)結構ややこしい。  まして、月形が簡単に怪我をするというのも不思議だった。  最後はあれぇー、という感じだが。  全く、セリフ以外は何も知らなかったことが自覚できた。    他にも当時はお歯黒をして出ていたのだなぁと思った。  僕は慣れているが、若い人は見てどう思うのだろう。  人類学のN先生はアフリカで「土人」(@沖縄派遣の機動隊員)に出会って、険悪なムードになって、もう一人の先生と走って逃げたという。追いつかれそうになった時、「先生、歯を出して」といって、入れ歯を出して見せたら、彼らは怯んで逃げ帰ったという。    幕末チャンバラ劇の最初だというが、月形はややこしい設定だ。  尊王ながら、開国だという。  結局、その方向になっていくのだから、歴史は複雑だ。  歴史で「尊皇攘夷」って矛盾していて理解しにくかったのを思い出した。  市川雷蔵が出ていて大映映画だと分かる。  「ちょうどいい時間になりました」で終わるところ以外、ご都合主義はあまり目立たない。

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