ここから本文です

踊る摩天楼 (1956)

監督
野村芳太郎
  • みたいムービー 0
  • みたログ 2

3.00 / 評価:3件

コメディエンヌぶりも含め越路吹雪の凄さを再発見

  • ilove70mm さん
  • 2014年11月3日 4時22分
  • 閲覧数 249
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

神保町シアターでやっと観ることができました。
ただ、タイトルの「踊る」と「摩天楼」に惹かれて 期待したのですが、越路吹雪の実力は改めて納得したものの 話の内容的には 銀座や新宿どころか全く 摩天楼どころか街中などは関係なく スタジオのセット撮影が99%の完全なる3本立てプログラムピクチャーの仕上がりでしたね。
いつものキャバレーのセットや藤乃高子・朝丘雪路・中川弘子の三人娘が共同で住むアパートの内部がほとんどという内容。
残りの1%の屋外ロケは 越路が出身である九州は熊本の大名の末裔である実家に里帰りするシーンの田舎の駅のまわりのみ。(但しこれも関東周辺のローカル線の駅で撮影したのでしょうが・・・笑)
一場面でもいいから 銀座とか丸の内あたりのビルの間で 歌って踊って欲しかったのが悔やまれるところですか。
あの頃は3週間程度で一本の作品を撮っていたのだろうから 天気に左右される屋外ロケなど金もかかるという理由の前に製作日程的に無理だったのでしょう。
一応ミュージカルコメディという謳い文句だから 曲はふんだんにかかるけれど ダンスに限っては 松竹映画だからか 松竹歌劇団の群舞ばかりで いつものように
洋舞+日舞+盆踊り というあの頃の 観客の観たい踊りの3点セットが あまり広くないセットで せせこましく披露されます。
浅草国際劇場の広かった舞台で踊っているのならば まだしも テンポもあの時代だからのんびり 振り付けもそれに合わせたような まどろっこしい限り。
まあ1956年(昭和31年)自分が3歳の時の公開作品だから仕方ないとはいえ、前年にはキャサリン・ヘプバーンの「旅情」、翌年には デボラ・カーの「めぐり逢い」がハリウッドでは公開されているわけで まあ戦時中に「風と共に去りぬ」を造れた国と比較するのがおこがましいものの やはり映画の撮影技法から編集まで まだ復興期の日本では これがせいいっぱいだったのでしょうかねえ!? それでも大衆が娯楽に飢えていた時代でもある中で 野村芳太郎の脚本・監督作として これは必見なのでは!と思いましたね。
田舎から東京に出てきている 若殿様にお見合いをセッティングする為に上京してきた使用人の爺やがまるで主演の越路の役を食うほどに目立っていました。
戦後の復興期にある中での 彼のセンチメンタルなほどに 親子の情愛を訴えたセリフの数々には 金はかかっていなくても キラリと光る演出も加えて注目すべき点でしたね。
結局、ミュージカルを期待して観たけれど 見応えがあった部分は このあたり。
もちろん 越路吹雪の基本からしっかりしている 歌とダンスには 改めて関心しましたが・・・。
あっ、若い頃の姿を初めて見た有馬稲子も色気ムンムンで 見直しましたよ。
朝丘雪路のスレンダーな色気も初めて味わう事ができたし、とにかくこの時代のカラー映画に多くの大衆が詰め掛けてスクリーンを食い入るように観ていたわけで 懐かしさはもちろん得ることはできない年齢の自分ではあるけれど 日本人としてあの時代に自分は生まれていたという自室を思い知らされた一時は貴重な体験でしたね。
昭和30年代に量産された このような歌謡映画が一大旋風(その頂点となったのは昭和38年公開の舟木一夫の「高校三年生」)を巻き起こすことになる これはそのはしりの作品でしたが、その前の昭和20年代は 戦後GHQの検閲の関係で ジャズやダンスなどの欧米文化を取り入れたレビュー映画が 立て続けに造られたわけで その後に 本来の日本の大衆が熱望するこのような日本独自の歌謡映画の時代に繋がったということになるわけです。
「映画は歌うよ どこまでも」という今やっているこの特集上映では 他には「有楽町で逢いましょう」(昭和33年)と「二人の銀座」(こちらは 昭和42年公開でも白黒作品!)はどうしても 今回スクリーンで観たいと思っている作品でありもうワクワクしていますよ! フィルムの状態もけっこう良かったですし、やはり古い映画もスクリーンで観ると あの頃の映画館に自分がタイムスリップしているようで なんとも言えない時間が過ごせるわけで 東京にいればこういう贅沢もできるのですから 首都圏に住んでいる方は是非とも神保町シアターに一度は行かれることをお奨めしたいですね!

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • ロマンチック
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ