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アラビアのロレンス/完全版 (1988)

LAWRENCE OF ARABIA

監督
デヴィッド・リーン
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  • みたログ 1,088

4.24 / 評価:387件

大国のエゴと差別

  • enj******** さん
  • 2020年1月11日 13時11分
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

50年前に見たときは子供だったので、世の中の色々なことを知らず映画の背景などはぼんやりとしか解らず、善悪がはっきりしない内容に退屈したことを思い出した。 わずかながら世界情勢を知るようになった今となっては、この映画で描かれている社会、人間の醜さ、弱さなどがすんなりと心に入ってくる。

映画の背景は、
・共に世界覇権を狙うトルコとイギリスがアラブで展開した戦闘で、アラブ現地人を味方に引き込んだイギリスがトルコに勝利した。
(このときにアラブ人をおだて上げてイギリスのために戦わせたのが、「自分はアラブの味方」と勘違いしたロレンスだった。)

・イギリスは、過酷な砂漠の移動や残虐な戦闘の前面に立つことなく「スポンサー」に徹することで、戦争への批判は現地人に押し付け、勝利の栄光のみを享受。
(ロレンスは自ら進んでアラブ人になりきることでその勝利に貢献したが、反面残虐性や、野蛮さをも身に着けてしまい・元来臆病な・自身と葛藤することになる。)

・首都ダマスカスの占領後インフラを扱いきれないアラブ人の混乱をわざと放置し、諦めたところでイギリスが主導権を握る、政治家のしたたかさ。
(ロレンスは戦闘の英雄であり「政治家」にはなり得なかった。)

映画の製作から50年、背景のアラブの紛争から100年、
この映画に描かれた歴史から今まで、世界で何が起きたかを俯瞰すると愕然とする:
・パレスチナの人々を追い出しユダヤ人にイスラエルを建国させたイギリスをはじめとするWW2戦勝国の偽善と二枚舌。
・「大量破壊兵器」と言う嘘で難癖を付け、実際は石油利権の為にイラクを占領し、現在まで混乱させたままのアメリカのご都合主義。
・チベットやウィグルを「侵略・占領」して100万人単位で虐殺しながら「国内問題」と言い張る中国の詭弁。
・ウクライナ国内を親ロ・反ロに分断し内戦させることで領土獲得を狙ったロシアのずる賢さ。
・南北朝鮮・ベトナムなど全ての「代理戦争」と呼ばれる紛争。

どれも大国(とそれに寄生する「死の商人」)たちの利益のために現場の民衆が翻弄され犠牲になってきた。今改めてこの映画を見ると人間の本質は全く進歩していないことを実感する。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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