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東京暮色

ハンケチ王子

4.0

暗い異色作なのは たしか、

『東京物語』の次々作であり、大きな達成の後の試行錯誤期・迷走期の作品(とされている)。 小津には珍しく、性的な事柄に対する設定が過激で(もちろん、直接描写はされず、あくまで「設定」ではある)、悲劇の現場となったラーメン屋の屋号が「珍々亭」だったり、細かなところまでが必要以上に下卑ている。 ただ私は、特には小津ファンでないせいか、割と見入ってしまった。落ち着き過ぎて退屈にも感じる、カラー時代の作品の大半より好きかも知れない。 Wiki には、『エデンの東』の影響とあったが、同じジェームス・ディーンの『理由なき反抗』にも何処か似ている。そういうのを抜きにしても、高度成長期初期が舞台ながら、60年代・70年代のアングラ的側面や、バブル崩壊後の閉塞感をも予感させる不思議な作品。

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