東京暮色
作品レビュー(41件)
- 柚子
4.0点
小津作品にしては、異色作 見かけだけの、一見平和そうな日常より、よほど現実感が この作品、私はお初だったので、結構衝撃的だった けど、杉村春子さんが、いつものキャラだったので、なんか安心的な感じも
- yam********
5.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - abu********
3.0点
小津さんの映画では珍しく、ちょっと暗い作品です。 いや、話としては暗いんだけど、 それを努めて暗くなりすぎないように仕上げております。 その辺がやはり小津さんらしいです。列車の中で待つ母の心情が切ないです。 そして母に言いよる原節子の表情が巧い。
- pag********
5.0点
小津らしくないのではなく,小津が本当に撮りたかったのはこれだと思う。興行面を犠牲にした,作家性の強い芸術映画だ。小津は 1950 年代半ばの東京の現実そのものを表現した。人生のさまざまな苦悩をよそに時は流れてゆく。妙に明るくそぐわないように感じられる音楽も,かえって切なさを増幅させる。米国の高齢の女性がこの映画を観て,アメリカも昔はこんなだった,演じているのが日本人なだけで,女の苦しみはどこも変わらない,と評したという。小津が目指した普遍性は実現していたのだ。一般に多くの人が小津映画に求める要素は,小津が意図的に提供したものだったのだろう。 前半はやや展開が遅く,間延びしている。また,カーテンショットにたびたび現れる,五輪より前の東京の風景はおそらく美化されている。日没前後の 1 時間は 「マジック・アワー」 で,世界が最も美しく見える時だというのは小津より後の説だが,小津と撮影監督とはそのことを知っていたかのように,実際は小汚かったはずの東京を,夕暮れの光の中に甘美に描いている。ただ,これは映画には必要なことだ。ズビャギンツェフは荒涼としたロシアの風景を実に美しく描く。現代の日本映画は総じて画面が汚い。どうにかならないものかと思う。
- WXYは知ってても、それだけじゃ
3.0点
父娘の絆よりも母娘の絆の方が強いか、それが得られなかった娘は男に代償を求めて街をさ迷う。 一方長女は夫にそれを求め、出奔した妻は新しい夫らに安寧を求める。 悲しい素描のぶつかり合い。 何故か勤務中に堂々とパチンコに出かける不思議も。
- tom********
5.0点
凄く暗い映画で、不幸な状況がクローズアップされるから尚更暗く重い。そしてこの家族の状況がわかりにくい。登場人物全員不幸に感じてしまう。でも、その状況下に至ったのは自らの意思決定があってのこと。そして他人は人の不幸をあざ笑う。 離婚した家庭は不幸なのか?片親の子供は不幸なのか?女は我慢して結婚を維持していた方が幸せなのか?優しくない自分勝手な旦那の元に戻るのが幸せなのか? この映画からは人間の欲深さも感じる。観る人次第で、不幸に見える登場人物は幸せに気づいていないだけと思えるかもしれない。健康なだけで幸せ、娘がいるだけで幸せ、孫がいるだけで幸せ、不自由なく暮らせるだけで幸せ、お腹を空かせて眠ることがないだけで幸せ、帰る家があるだけで幸せ、生きているだけで幸せ。その人次第。笠智衆演じる父親はそれを悟っているようにも見える。 最初はどうしようもない映画だと思った。何回か観ているうちに奥深い映画だとわかった。ある意味、ホラー映画のよう。映画を観終えた後にあれこれ考える人には面白い映画。
- ame********
4.0点
姉は旦那と上手く行かず 妹は恋人が頼りにならず 母は子供と和解もできず 女は辛いよ 悲哀の末の悲劇も含めて 重いモノが残る作品だな BGMが妙に明るいのは 幾分なりとも暗さを低減させたかったからかな?
- arl********
3.0点
きめ細かい心理描写の光る佳品です。でも暗いなあ。 ストーリーに納得いかない部分が多いんです。
- par********
1.0点
ネタバレ余計なお世話だバカヤロウ
このレビューにはネタバレが含まれています。 - ハンケチ王子
4.0点
『東京物語』の次々作であり、大きな達成の後の試行錯誤期・迷走期の作品(とされている)。 小津には珍しく、性的な事柄に対する設定が過激で(もちろん、直接描写はされず、あくまで「設定」ではある)、悲劇の現場となったラーメン屋の屋号が「珍々亭」だったり、細かなところまでが必要以上に下卑ている。 ただ私は、特には小津ファンでないせいか、割と見入ってしまった。落ち着き過ぎて退屈にも感じる、カラー時代の作品の大半より好きかも知れない。 Wiki には、『エデンの東』の影響とあったが、同じジェームス・ディーンの『理由なき反抗』にも何処か似ている。そういうのを抜きにしても、高度成長期初期が舞台ながら、60年代・70年代のアングラ的側面や、バブル崩壊後の閉塞感をも予感させる不思議な作品。
- ot1********
1.0点
小津さん、随分下衆な暗い映画を撮ってたもんですね、観ていて嫌になりました。 麻雀しながら明子を茶化したりするシーンは本当に気分が悪くなりました。4Kデジタルリマスターするなら他の作品にしたら良かったんでは・・
- じぇろにも
4.0点
ネタバレ居酒屋に来る男
このレビューにはネタバレが含まれています。 - shinnshinn
3.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - b
5.0点
ネタバレ家族
このレビューにはネタバレが含まれています。 - mxe********
4.0点
小津映画の前売り券を大人買いし、しばらく小津に浸ろう…と思って観た最初の作品。まったく前知識なく観ましたが、こういう作品も撮ってたんですね…皆さん、暗い、暗いって言いますが、まぁたしかに明るくはないですけど、抑制の効いた、いい映画だと思います。小津映画は初めてではありませんが、改めてカメラが1ミリも動かない、パンもティルトもズームもドリーも、なんにもしない、でも映画は出来る、というのが凄いな、と。昨今の映画のカメラワークはそれこそ目が回るくらい激しいですけど、その動きに本当に意味のあるものってどれだけあるのか、と思いました。 生涯独身を貫いた小津監督の「家族観」が垣間見える映画です。
- qaz********
4.0点
先週の金曜にGEO経堂店でレンタルし鑑賞しました。 有馬の不良娘はワルというより可愛い服装をした女です。 ラストはあんな悲劇になろうとは・・・予測不可能です・・・
- drm********
3.0点
いつもの小津テイストだと思っていると、 ラストの感じに面食らうかも。 結果、前に進んでいるのであろうか? というところで賛否両論出てくる作品だと思った。 しかし、あまりにお父さんの無力感が強すぎる気がする。 それなのにラストはいつもの小津作品で纏めようとしている感じが違和感なんだろうな。 原さんのずっと疲れている感じはよく出ていると思ったが、全体に影を落としているのが果たして良かったのか…。
- pop********
4.0点
いくら人のせいにしようと、いくら酒をあおろうと、それが自分の人生であることからは決して逃れられない。小津作品のなかでも、この東京暮色がもっとも現代人の腑に落ちる物語なのかもしれない。もしそうならば、現代とはいったいどんな時代なのか。 その18 東京暮色 その17 ファーゴ その16 ポセイドンアドベンチャー(ロナルドニーム) その15 マンディンゴ その14 デッドマンウォーキング その13 シャイン その12 運動靴と赤い金魚 その11 スクールオブロック その10 西鶴一代女 その9 禁じられた遊び その8 こわれゆく女 その7 プレイスインザハート その6 ユナイテッド93 その5 猿の惑星:新世紀(ライジング) その4 日本の悲劇(木下惠介) その3 アラバマ物語 その2 天空の城ラピュタ その1 お早よう
- sho********
5.0点
数多くの小津作品の中でもこの作品が最高峰だと賞賛する人もいれば肩に力が入って失敗作だという人もいるほど賛否両論にまたがる異色の作品である。二人の娘を捨てた母親を最後まで許す事の出来なかった長女原節子の秀逸な演技。娘の心に入り込めない母親の寂しさともどかしさが伝わってくる山田五十鈴の入魂な演技。そして男に騙された薄幸な自暴自棄の次女の有馬稲子の白熱の演技。みんな私の心に残るものでした。そこには、今までの明るくてユーモアのある部分は全くなく寂寞とした暗澹たる現実の日常が描かれていました。そして題名のように夕方の暮れていく薄暗い場面が基調となっていました。色々な場面を思い出すが、子供をおろした後次女が「生まれてこなければよかった」と嘆息。聞いて只黙っている姉。そして北海道へと旅発つ母親が亡くなった娘の霊前にお参りをしたいと願う母親を拒絶する長女。それでも上野駅に見送りに来てくれるかと待つ母親。こんなに未来のない暗い人生にも止まる事のない時間は流れていくのでした。最後に「やつぱり沼田のところに帰ってやり直します。子供には片親はかわいそうです。明ちゃんもお母さんがいなくてさびしかったのでしょう。」「そのぶん一生懸命随分可愛がってきたが・・・・・」と父親の自責の念。そして今日もあわただしい出勤する日常の生活。終わりの字幕。生きとしいけるものの悲しみと非情なときの流れの交錯。私も小津作品の中ではこの作品がやはり一番好きです。
- ytq********
2.0点
あまり他人にはお勧めできない。 物語が山田五十鈴演じる母親に対して救いがないというか、理不尽過ぎるというか、まあその理不尽さを受け止めねばならないような生き方をしてきた所の人物ではあるのだが、あまりにもしっくり来ない。そのしっくり来ないところを納得させるプラスαがあれば良かったのだが、物語はそのまま終わってしまう。 また尺が長過ぎで少々疲れた。 ただ「寂莫」というものの描写については大変見事であり、この作品全体を貫く寂莫感は、簡単に見逃す事ができないだけのものがあって、冬の寒々としたイメージと共に深く印象に残る。その分だけ個人的にはプラス★。小津安二郎の映す「寂莫」を観る映画か。