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裸の町 (1957)

監督
久松静児
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3.80 / 評価:5件

三毛は生命力旺盛だぞ!

  • bakeneko さん
  • 2015年5月28日 7時29分
  • 閲覧数 420
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

真船豊作小説の、戦前(1937年:内田吐夢監督)に次ぐ戦後の久松静児による映画化作品で、“モラル無き金融業界の喰い合い”が第二次世界大戦を経ても全く変わっていないことに唖然とさせられます(もちろん70年後の今も!)。戦前作が社会構造を鋭く糾弾しているプロレタリアドラマの傑作であったことに比べて、戦後作は登場人物の人間像を掘り下げて“苛烈な弱肉強食の世界での善良な人間の生き方”について考えさせられる佳作となっています。

気弱なインテリ青年が強欲な金融業者に食い物にされるが、その業者もまた上手の金融詐欺に引っ掛かって…という“弱者が食い物にされる資本主義の食物連鎖”を見せて、現代に気概とモラルを堅持して生きていくことの困難さを浮き彫りにしていきます。
善良な夫婦を池部良&淡島千景、小悪党の金貸し夫婦を森繁久彌&杉村春子、大悪党の金貸しを志村喬が好演している他に、浪花千栄子、淡路恵子、山茶花究、田中春男など、東宝の久松静児組の名脇役がカメオ出演も賑やかな作品で(左卜全の知能犯役は珍しい!)、シビアなお話の中にもユーモア&人間性の機微を発露させるドラマつくりにも唸らされますよ!
熾烈な金融業界の抗争に資本主義の本質を見つめつつ、敗残から立ち直ろうとする純な夫婦の心の動きに共鳴&応援する佳作で、池部良のダメ男は現代のオタク青年と共通するものが多々ありますし、淡島千景の健気な勝気さは(この嫁が居るだけで決して敗残者じゃないと)前年の「夫婦善哉」に続いて泣かせてくれますよ!

ねたばれ?
晩年に“猫の大親分”となった島耕二と並んで“猫大好き監督”として有名な久松静児監督は、本作ではペルシャ猫:フー公と後で拾われる三毛猫に“気高く生活力がないもの”と“生命力旺盛な無邪気なもの”を代表させています(そして猫の抱き方を観ても分かる様に淡島千景さんは大の猫好きです!)。

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