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危険な英雄 (1957)

監督
鈴木英夫
  • みたいムービー 2
  • みたログ 8

3.25 / 評価:4件

眉毛が繋がっている!

  • bakeneko さん
  • 2011年10月18日 11時23分
  • 閲覧数 547
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

現在の東京の酋長:石原慎太郎が倫理観皆無の野心的新聞記者を演じた誘拐サスペンスで、警察捜査に協力する報道協定が無かった頃のなりふり構わないスクープ合戦を背景にしたスリラーというお話はさておいて、とんでもない大根を主演に据えて四苦八苦する―共演者、演出家、カメラマンのボヤキが画面から聞こえて来る怪作であります

苦労しているな~。
東宝の人気スター&名脇役が総出演(何とゲストに三船敏郎も!)でバックアップしていますが、主役に素人を連れて来てはどうにもいけません(真面目に芝居をしている役者が気の毒になります)。
当時人気沸騰だった太陽族作品の原作者&石原裕次郎の兄として二匹目のドジョウを狙った無理やり慎太郎主役作品なのですが、本作を見る限り
棒読みの台詞
中心部に偏った顔の造作
スタイルと着こなしの悪さ
陰湿&酷薄な表情
で、あまり人気が出なかったのも頷ける出来映えとなっています(もし人気が出ていたら今の都知事は誰だったろう?)。
物語は「地獄の英雄」の類型パターンで、スクープを狙う新聞記者の専横振りで混乱する誘拐捜査をサスペンスフルに描いて、状況を悪化させる慎太郎は主役と言っても一番の悪役といえます。もちろん、上手い演技で太陽族的“利己&刹那的な人間像”を創り上げていれば現代的でドライなスリラー&人間ドラマとなったのでしょうが、殆どの出演シーンで怒鳴っていて、共演者と別アングルに依る“挿入絵”でごまかす(犬や猿が演技している様に見せる手段ですね)ことが必須である学芸会演技では笑いを誘わない出来で精一杯のレベルとなっています。
演出はサスペンス映画を得意とした鈴木英夫が、セミドキュメンタリー的な俯瞰映像などを効果的に挟んでいますし、刑事役の志村喬やライバル社の記者:仲代達也、誘拐された少年の姉:司葉子も奮闘しています、更に犯人役の名優も頑張っていただけに山崎努あたりが主役をしていれば佳作になったのでは..と惜しまれますが、“ゲテモノ映画”としての特異な印象&(今偉そうな人が昔こんな恥ずかしいことしていました的作品としての)存在価値としては貴重なものなのでこれはこれで良かったのかもしれません。
また、使用曲&音楽の使い方も面妖で、妙に長閑で明るいギター曲がオープニングから延々と鳴っています(あの名作を狙っているのでしょうが、チターの音色が時に緊迫感を表現していたのとは異なる明朗なギター曲の脱力感が映画の集中力を削いでいます)。

東京では少数派なのでしょうが、最近の数々の不条理な都条令に立腹されている方や、あの“チック瞬き”を見ているとイライラする方&太陽族に愛国心を説教されるとは笑止千万とお思いの方が、大笑いして溜飲を下げるのにお勧めの怪作であります。

ねたばれ?
制裁“島流し”人事が“栃木支局へ派遣”って...。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • ファンタジー
  • 不思議
  • 不気味
  • 絶望的
  • コミカル
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