陽のあたる坂道
あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
本編配信
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作品レビュー(9件)
- タイムスリップ1.21ジゴワット
4.0点
原作で1番のポイントの2人の母親がはまってるので、この作品は裕次郎PVではなく映画として鑑賞できます。
- サラダ
4.0点
石原裕次郎は勿論、日活映画なんてリアルタイムで観たわけじゃないから、それほど思い入れはハナからない。 時代や風俗も今とは違うから多少の違和感はあるが、よくある名家の内幕を描いた物語なのにドロドロ感や陰鬱さを押し出すわけでもなく、あくまで表面的にはドライなイメージで家族を描き、時折ダークな内幕が垣間見える作りも興味深く、登場人物達の心の中を吐露するような台詞が観る者に心地よく攻めてくるのが寧ろ爽快で、微妙に動かすカメラワークも人間の動きに新鮮さを与える高度なテクニックだ。 それまで石原裕次郎の魅力がよく分からなかった私としては、本作での、世界を変えて自分の居場所を探す、それでいて飄々とした優しさも兼ね備えている役柄が、彼によくはまっており、あの時代の日本を変えてやるんだという気運とマッチし、だから時代のアイコンとなり得たのだろうと思う。 北原三枝の芯の強さと佇まいの美しさは秀逸。 芦川いづみには他作品も含め、最近、ハマりまくっている。 上映時間は三時間半と長尺だが、一時間半かと思えるほどに全く長さを感じさせないほどテンポとリズムと見せ方が上手い。そして何よりも躍動感ある不思議な魅力が詰まっている。 思い入れタップリに無駄に長い昨今の邦画洋画の情けなさが際立ってしまうな。
- pj2********
2.0点
ネタバレ陽のあたる坂道1958年
このレビューにはネタバレが含まれています。 - der********
3.0点
『青い山脈』(1947年)で戦後民主主義の揺籃期を描いた石坂洋次郎センセが、引き続きその成熟期を舞台に筆を執った『陽のあたる坂道』(1957~58年)。彼にとって戦後民主主義を体現する存在は、自らの意志で自立する女性像だったのでしょう。 映画冒頭、タイトルどおりの長い坂道を登っていく女子大生の倉本たか子。そして、彼女が家庭教師となる女子高生、田代くみ子。作者は、この二人の生き方、ものの考え方を、新しい時代を生きる、新しい女性の姿の理想像としているのです。 当時、大学に進む女性はきわめて珍しい存在だったと思います。ましてや青森から上京して、一人暮らしを許されるなんて、よほど財力があり、教育に理解の有る家庭の娘でなくてはできることではないはずです。勉強と生活を両立させ、周囲の人たちとも明るく付き合う、まさに絵に描いたような理想的女子大生。かたや一方、何かことあれば、家族揃って賛美歌を唄うような上流家庭に生まれた少女は、金持ちであることを鼻にかけず、卑屈にもならずの自然体。身体的ハンディにもいじけることなく、前向きに生きようとする、これまた絵に描いたような理想的女子高生。 男性の重要な登場人物も二人います。一人は、くみ子の兄の田代信次。腹違いの子として生まれた過去を引きずっている彼は、劣等感にとらわれ意識的に家族の中で卑屈で自虐的な生き方を取っています。もう一人が、信次の実の弟でたか子の知り合い(ややっこしい)の高木民夫。彼もまた不遇な育ちゆえ、屈折した毎日を送っています。 しかし、信次と民夫は、たか子とくみ子に出会うことで、いつしか心を開くようになり、それぞれが新しい生き方を模索するようになっていきます。民主主義の光が、人々を陋習や固定観念の鎖から解放していくさまは、 「古い上衣よ さようなら/さみしい夢よ さようなら……旅をゆく/若いわれらに/鐘が鳴る」(「青い山脈」歌詞) そのままです。 四人を演じた、北原三枝、芦川いずみ、石原裕次郎、川地民夫も、生き生きと演技しています。田坂監督の演出も小気味よく、長さを感じさせません。戦後民主主義がもっとも輝いていた時代の、これはその理想を見事に具現化した名作ではないでしょうか。
- kih********
2.0点
多分小説の方はいいんでしょうね。映画はダメですね。人気俳優さんが浮いちゃってストーリーに馴染んでいません。不遇な育ちの中で、暗くなってひねくれているという設定なのに、どこにもそのような陰が見えず、明るく快活な青年です。 この頃のこの人たちの映画は、“カッコいい”というのが至上命題のようで、衣食住は勿論、少し余裕が見えて来て、“カッコいい”ファッションや身のこなしが求められていたのでしょう。この青年がひとつのモデルだったことは間違いありません。今でいうアイドルだったのでしょう。 長身で、童顔で、いい服を着て、ジャズ風の音楽ができて、もちろんスポーツができて、……。まるで真逆の私などは、むしろ小説の中の田代信次に共通するところがあって、この“カッコいい”俳優さんの演技にはウソを感じてしまいます。 いつも早口で、よく聞き取れません。この頃ですから、もう録音技術もしっかりしているはずなのですが、……。こういう語り口もまた“カッコいい”のでしょうか。などなど、陽の「あたらない」坂道で育った者には、どうにも素直になりにくい映画です。
スタッフ・キャスト
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