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無法松の一生

エル・オレンス

5.0

ネタバレ邦画が世界を圧倒していた時代。

政府による不本意なカットで散々な目に遭った阪東妻三郎版(1943)に対し、戦後に作られた本作は、前作以上の壮大なカメラワーク、演出、舞台セット、美術、そしてシネマスコープ&カラーの迫力が漲っており、稲垣浩監督の作品に対する情熱がひしひし伝わってきます。 特に、過ぎ去る年月を人力車の車輪とシンクロさせる演出センスは際立って素晴らしく、稲垣監督の類い稀なる才能を実感するばかり。 配役については、高峰秀子&芥川比呂志の2人のハマり演技が、強く印象を残します。その一方で、三船敏郎演じる松五郎は、『七人の侍』の菊千代が何度もダブる(笑) 自分は80年代後半生まれでかなり世代はかけ離れてますが、日本四季の美をバックに描かれる、松五郎の献身さ&純愛さがとても感動的で切なく、観終わった後、もっともっと若い世代にも何年にも渡って継がれるべき名作だなと心の底から思いました。 ヴェネツィア金獅子賞も納得の素晴らしさです!今では日本国内からでさえ馬鹿にされがちな邦画ですが、かつては世界を圧倒し、映画人たちを虜にする黄金の時代があったことを、今の若い世代にもっともっと知られて欲しいと強く思います! ====================================== ★1958年ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞受賞

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