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暖簾 (1958)

監督
川島雄三
  • みたいムービー 10
  • みたログ 38

4.21 / 評価:19件

残さなければいけないもの

  • kor***** さん
  • 2014年3月18日 8時59分
  • 閲覧数 829
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

アナウンサー、喜劇俳優、演技派俳優と様々な顔を持つ昭和の偉人森繁久弥であるが、彼が原作に惚れこみ、東京・芸術座のこけら落としで公演した作品こそ『暖簾』である。後に『白い巨塔』など数多くの作品を世に残した山崎豊子の処女作でもある。

古き良き邦画と言うか、昭和の時代を描くもまったく古臭くなく、現代の世でも十分楽しめる一作である。大阪の昆布商人の生き様を川島雄三監督らしくスピーディーかつ、ウィットに富んで描いている。特出すべきは“ある男性の一生”という伝記的な堅苦しさを見事に跳ね返す森繁のコミカルな演技であろう。一人二役で性格の違う父と息子を演じ分け、特有の手の平や物を叩き、動きにリズム与える動作は観ていて飽きない。調べると森繁は元々大阪出身であり、妻役の山田五十鈴も大阪出身。道理で関西弁がはまるわけだ。(こればっかりは演技力ではどうしようもない問題な気がする)

前半部分の祭りのシーンや台風のシーンなどセットも豪華であり、一転して後半部分の荒涼とした焼け野原がより映える。昆布の切れ端で新たなビジネスを展開する真面目な父と、高級志向の人々に高価な昆布を売ろうとする計算高い息子の価値観は正反対。父はお見合い結婚であり、息子は自由恋愛。自分の足で稼ぐ時代からバイクで遠方へ開拓する時代。しかし、時代の流れが正反対に変わるも、受け継がれる商いの根性と、歴史を見続けた暖簾は変わらない。この暖簾のようにぜひとも後世に残していきたい名作だと思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 楽しい
  • 知的
  • 絶望的
  • コミカル
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