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彼岸花

彼岸花

118

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5.0

彼岸花

名匠小津安二郎1958年の作品 ローポジションの固定カメラや枕ショット、カメラ目線の対話シーンなどおなじみの小津調はここでも見られますが監督初のカラー作品ということで今見ると人工的な色彩が新鮮で美しい画像が印象に残ります 特に赤の発色が鮮やかでところどころに置かれてる赤いやかんなどが小津監督のこだわりを感じて面白いです ストーリーは父親と年ごろの娘の関係という小津監督おなじみの設定だがここでは決してシリアスにならずコメディタッチでのんびり見れます キャストは山本富士子、有馬稲子、久我美子ら豪華な若手女優陣の競演が華やかです しかしなんといっても佐分利信、田中絹代の夫婦が年頃の娘を持つ親の複雑な心情を絶妙な演技で見せていて素晴らしいです 友人の娘には寛大で物わかりのいい態度をしながらいざ自分の娘となると途端におたおたする父親佐分利信 そしてそんな夫と娘の間で揺れながらもある時は静かに、ある時は強気に見守る母親田中絹代 二人のやり取りを見るだけで楽しくなります 笠智衆、原節子の父娘ものとはまた違った小津ワールドが楽しめる晩年の傑作

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