祭りだ! 喧嘩だ!錦之助だ!
- yamaneko_bucchi さん
- 2018年9月1日 21時57分
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東映時代劇全盛期の傑作。
文字どおり錦之助の魅力爆発といったところだ。
なんといっても見どころは、太助たち市場の衆が、祭りにかこつけて御城改築奉行が女を囲う材木商の店に乗り込み女の救出を目論む場面だ。木場衆相手に大立ち回りを演じる。名ボクサーの試合さながら蝶のように舞い、蜂のように刺す。その見事なこと。大乱闘である。
そしてそこに駆けつけたのが、太助が親分と慕う天下のご意見番大久保彦左衛門と知恵伊豆こと老中松平伊豆守。奉行の悪事を示唆し、これにて一件落着。胸のすく映画だ。錦之助が演じた将軍と魚売りの二役もいい。
一言。
東映のヌーヴェルヴァーグとさえ呼ばれた沢島忠監督が、太助の錦之助をはじめとする町衆や、果てはあろうことか幕府の重鎮彦左衛門の月形龍之介にまで「失恋」や「絶望」などという現代語を吐かせ(大久保家の家臣を演じるマチャアキのお父さんが敢えて「冷静に」「客観的に」などと言うのは喜劇役者だからそれでこそ面白いが)若者受けを狙おうとする。時代劇にミュージカルを導入したこともあるこの監督の意欲には拍手を送るが、昨今の作家のように現代語でないと時代劇も作れないのかと訝しくも思う。いや、制作当時は斬新でみんな喜んだかもしれない。
かもしれないが、公開から60年経った今では現代語による時代劇が横行し、眉をひそめるファンも多い。動きが派手な映画なので、セリフ回しは江戸時代語でキッチリ決めて欲しかった。
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