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果しなき欲望 (1958)

監督
今村昌平
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4.46 / 評価:24件

脚本と撮影・編集が、みごとに結晶した作品

  • le_***** さん
  • 2020年5月13日 17時22分
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    • 総合評価
    • ★★★★★

監督:今村昌平、脚色:鈴木敏郎、今村昌平、原作:藤原審爾、企画:大塚和、撮影:姫田真佐久、編集:丹治睦夫、美術:中村公彦、録音:沼倉範夫、照明:岩木保夫、音楽:黛敏郎、主演:長門裕之、中原早苗、1958年、101分、白黒、日活。


ある年の8月15日正午、某国鉄の駅を出たところに、星型のバッジを付けた胡散臭い男が四人集まった。先に着いた順に、大阪のラーメン屋店主・大沼(殿山泰司)、薬剤師・中田(西村晃)、ヤクザの山本(加藤武)、中学の教員と名乗る沢井(小沢昭一)の四人であった。彼らは、 死亡した軍医・橋本中尉の従卒であり、10年後にここに集まり、この町の元防空壕にあるドラム缶を探し出すことであった。ドラム缶には大量のモルヒネが入っており、それを掘り出して多額の現金に換えるのが目的だった。あとから、橋本の妹と称する志麻(渡辺美佐子)も加わり、五人となった。
古い地図によれば、元防空壕は商店街の中にあり、その場所には肉屋が建っていた。大沼らは、20メートル離れた空き家を不動産会社の名目で借り、地下を掘って、防空壕までたどり着く計画を立てた。その空き家の大家は銭湯を営んでおり、経営者の金造(菅井一郎)は強欲な男で、保証金を負ける代わりに、ぐうたらな長男・悟(長門裕之)を雇わせることを条件として、空き家を貸した。悟には、肉屋の娘・リュウ子(中原早苗)に言い寄っていたが、いつも相手にされていなかった。・・・・・・

サスペンス風味とコメディ風味が、気持ちよく交わり合い、当時の邦画のエンタメ性とはこういうものだったのか、と思わせてくれる作品だ。後々有名になる俳優陣の若い頃を見ることができるのもうれしい。『男はつらいよ』のおばちゃん役、三崎千恵子や、高品格、芦田伸介の顔を見られる。

何といっても、この胡散臭い四人の顔ぶれがすばらしい。欲に駆られ、十年も待ちに待ち、苦労して穴を掘り進めていく。五人のうち、山本は、ある一件で指名手配となり警察から脱走して戻ってきたが、その山本は沢井との喧嘩の末、殺され、その沢井も、穴を掘っている最中に、死んでしまう。そして、ストーリーの上でのどんでん返しが待っているが、結局、みんな、死んでしまうのだ。

滑稽なストーリーの展開が絶妙で、5人の穴掘り作業と平行して、さえない悟としっかり者のリョウ子との駆け引きが適宜挿入され、退屈になりそうな進行にアクセントを置いている。
この作品にも、熟練したカメラワークを見ることができる。冒頭の同じメンバーでの立ち話のシーンをはじめ、室内シーンが多い本作品では、充分にリハーサルしたあと、俳優の台詞や動きに合わせ、カメラが円滑によく動くのがわかる。
映像の基本となる脚本と撮影・編集が、みごとに結晶した作品だ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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