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果しなき欲望 (1958)

監督
今村昌平
  • みたいムービー 9
  • みたログ 46

4.46 / 評価:24件

1958年に存在した 穴堀強盗 の名作☆

  • Kurosawapapa さん
  • 2014年2月10日 7時11分
  • 閲覧数 820
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

今村昌平監督作品・第3弾。
これは面白い!
これだから、「 隠れた名作探し 」は止められません。

穴を掘っての強盗映画は、数多くあれど、
こんな名作が1958年製作の 日本映画 で存在していたとは!

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終戦日に、軍医が防空壕に埋めた大量のモルヒネ。
時価6千万にもなるモルヒネを掘り出すため、5人の男女が集まる。
しかし、かつて防空壕だった場所には、今は、肉屋が建っていた。
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本作の時代設定は1955年、つまり「ALWAYS 三丁目の夕日」より少し前の時代設定。
舗装道路も高層建築も、まだ少なかった時代。

そんな時代の商店街で、
(不動産経営と偽って)空き家を借り、そこから20m先の肉屋の下まで横穴を掘っていく。

穴を掘る面々は、
・冷静で頭の切れる悪人に 西村晃
・悲惨な人生を過ごし、笑い方が無気味になった教師役 小沢昭一
・小心者で、時間と金にうるさい闇ブローカー役に 殿山泰司
・すぐに暴力を振るう単細胞の成らず者に 加藤武
・男どもに臆することなく、したたかな悪女ぶりを見せる 渡辺美佐子(ブルーリボン賞・助演女優賞受賞)

お互いによく知らない者同士が、共通の目的で集まり、
誰が嘘をつき、誰が裏切りを企んでいるのか分からない、濃厚サスペンス。
皆、ビジュアル的にも役柄的にも、悪役ぶりは完璧だ!


さらに面白いのが、本作に備わっているコメディの側面。
サスペンス と コメディ、
 8対2 の割合で 吸引力 を維持しているのが、本作の凄さ。

穴堀のシーンでは、画面を分割、上下の出来事を同時に捉えた演出。
地上には刑事がいて、地下ではガス漏れで七転八倒など、爆笑シーンを生み出している。

目的地に 肉屋 が建っているというのも可笑しいし、
その肉屋には、近所で評判のヒロイン(中原早苗)まで住んでいる。

また家主が、「 失業している息子(長門裕之)を不動産屋で働かせてくれ 」という条件を出すので、穴堀り作業の邪魔に。
そこでコミカルなストーリーを生み出すとともに、
失業息子 と 肉屋の娘 の純愛を描き、爽やかな風まで吹かしてしまう、そのバランス感覚も秀逸。


欲にまみれた悪人たちの宝探しと、命懸けの闘争は、加速度的にパワーを増していく。
サスペンス も コメディ も、双方、強大なベクトルを維持した力作。

1958年に製作された、日本の 穴堀強盗映画 には、
見たこともないような世界が広がっています。

古き時代と、クライム・コメディが合致した、一級品のエンターテインメント。
今村映画の中でも、3本の指に入る名作です!
( IMAMURA:No3/19 )

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 楽しい
  • 不気味
  • 切ない
  • コミカル
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