ここから本文です

荷車の歌 (1959)

監督
山本薩夫
  • みたいムービー 5
  • みたログ 37

4.06 / 評価:16件

希少☆山本薩夫監督が描く女性ドラマ

  • Kurosawapapa さん
  • 2012年12月18日 7時37分
  • 閲覧数 793
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

冒頭のテロップ、、、
『 人間が人間として認め合う、この大切な喜びを皆のものにしたい。
この喜びが多くの女性の心に生き継がれ、多くの若い人達が母を受け継ぐ時、
明日を今日の繰り返しでなく、新しい出発としてほしい。 』

そんな願いが込められた作品。

山本薩夫監督というと、反骨精神溢れる骨太な作品を世に送り出した社会派映画の巨匠。
自分の知るところでは、山本監督の女性を中心としたドラマは、本作と「あゝ野麦峠」くらい。

希少という印象ですが、
本作は山代巴の原作、そして溝口監督と組んだ依田義賢(「スターウォーズ」ヨーダのモデルとなったといわれる日本映画を代表する脚本家)の脚本であり、合点がいく。


=======
明治二十七年、女中のセキ(望月優子)は、郵便配達夫の茂市(三国連太郎)に求婚され、勘当の身となりながらも結婚。
二人は、往復十里の道を一台ずつ荷車を引きながら仕事に励む毎日。
姑の冷たい仕打ちにあいつつ、セキはやがて娘を産みます。
=======

結婚、出産、子供の成長、
そして年老いてなお、苦難と向き合った数十年の物語。


夫の茂市を演じた三国連太郎の演技は、群を抜いています。

晩年の姿に “歯” がありませんが、
2年前の「異母兄弟」の時、演技のために35歳で10本抜いたそう。

ただ、本作は女性が主役。
望月優子の優れた演技も、彼のあまりの存在感に食われてしまった感。

後半、茂市の浮気が発覚、妾を家に居候させるストーリーも、
前半の繊細な流れに対し、行き過ぎを感じます。



 姑、 嫁、 娘 が同居する中、
家族なのに、思い通りにならないこと、やっかみ、愚痴をこぼすこともある。

また、嫁にしてみれば、
 我が子 ~ 夫 ~ 姑 と、どうしてもついてしまう優先順位。
 “心の虫が騒ぐ” と、身内の不遇を横柄に見てしまう、、、
そんな心の内も、赤裸裸に描かれている。


皆、必死に、ギリギリの生活を送っている、、、
その張りつめたような空気感。

そして、張りつめたものがプツンと切れてしまった時に、溢れ出す涙。

苦難の中にある、人の “優しさ” が、心を打ちます。



家族の繋がりが、
時として、しがらみとなり、
時として、かけがえのない ”絆” となる。

どう転んでも切ることがでないもの、、、
それが “家族” なのだと、
しみじみ感じさせる名編です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 勇敢
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ