ここから本文です

キクとイサム (1959)

監督
今井正
  • みたいムービー 11
  • みたログ 46

3.58 / 評価:19件

今井正監督作品を代表する感動の名作☆

  • Kurosawapapa さん
  • 2012年7月31日 8時31分
  • 閲覧数 1271
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画は、1959年キネマ旬報第一位、毎日映画賞・日本映画大賞、ブルーリボン賞・作品賞と、タイトルを独占した今井正監督作品です。

「キネマ旬報」を紐解くと、
これまでの “ベストワン獲得数” では、小津安二郎監督が第1位(6本)。
今井正監督は、「また逢う日まで」「にごりえ」「真昼の暗黒」「米」そして本作と、5本の第2位。

同じく第2位に今村昌平監督(5本)、次いで第4位に山田洋次監督(4本)。
第5位に黒澤明監督、木下恵介監督、新藤兼人監督(それぞれ3本ずつ)。

また、今井監督の場合、1950年からの10年間で5本獲得と、短い期間に集中、しかも日本映画界に傑作、秀作が目白押しの時代での獲得は空前絶後となっています。


=======
小学校6年生のキクと、4年生のイサムは、黒人混血の姉弟。
日本人の母親は死に、黒人の父親は行方知らず。
姉弟は、農家を営む祖母(北林谷栄)と3人で、会津磐梯山の麓の村に住んでいます。
=======

キクを演じたのは高橋エミ子、イサムを演じたのは奥の山ジョージ、ともに混血児。

今井監督が全国を行脚し見つけた子役で、監督は、全くの素人である2人に演技と東北弁を教え、
奇跡のようなシーンを、沢山生み出しています。


姉弟は、心優しい人々に見守られながらも、
学校では「クロンボ」と罵られ、町へ出れば好奇の目にさらされたりする。

戦後日本の落とし子とも言える、色の黒い2人の目を通し語られる日本社会。

また、 子供の将来はどうあるべきか? 子供には何が必要なのか?
大人たちが必死に考える姿は、見る側にとってのテーマでもあります。


巨匠と言われる監督作品の多くには、欠かすことのできない女優さんの存在があります。

小津監督であれば原節子、 成瀬監督であれば高峰秀子、 溝口監督であれば田中絹代、
そして今井監督であれば、北林谷栄と言えるでしょう。

日本を代表するお婆ちゃん役者で、近年の作品では「となりのトトロ」のカンタの婆ちゃん役(声)、
「阿弥陀堂だより」のおうめ婆さん役など、今井作品でも8本に出演。

本作では、老婆役に徹するため、なんと前歯を7本削って演じ、全て差し歯にしたという女優魂を見せ、
優しく、可愛らしく、厳しく、そして逞しい祖母の姿を、見事に演じています。


・アメリカへの養子縁組、そして別れ
・老婆の孤独
・大人でさえ見過ごしてしまう子供の本音

戦後の差別問題に限らず、
悲哀に満ちた “家族” のテーマを浮き彫りにした本作。

自分のことや世間のこともよく分からず、初な心を悩ませる姉弟、
そして、腰が曲がり、白髪と皺だらけで苦労する祖母の姿に、思わず胸が熱くなります。


それでも、決して深刻にならないのが、本作の味わい深いところ。
芸を魅せる粋な一面があったり、ユーモアを交えつつ、心温まる名編を作り上げていきます。

・貧困、偏見があっても、決してくじけない力強さ
・さりげなくも深い、家族の情愛

最後は、熱い涙とともに、2人を心から応援したくなる、、、
今井作品を代表する、感動の名作です!
( IMAI:No10/18 )

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 楽しい
  • 悲しい
  • 勇敢
  • 切ない
  • かわいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ