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或る剣豪の生涯

aki********

4.0

誰?

これはフランスの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の翻案。三船敏郎が、大きく赤い鼻と味海苔みたいなぶっとい眉毛を付けて頑張る。モミアゲもすごいぞ。ほとんどコントの扮装だ。 原作では、ロクサーヌが恋焦がれているのは「美しい言葉」であって、美男クリスチャンという「人間」ではない、というのがポイントになっているのだが、この映画ではそこが上手く演出できていないのが残念だ。司葉子の演技力ではそういう複雑な表現は無理ということもあるが、どうみても千代姫は十郎太という「人間」を恋しているようにしか、見えない。そのため、最後に「美しい言葉」の持ち主は平八郎であった、と理解したときの千代姫の反応が、いかにも唐突で奇天烈に感じられるのではあるまいか。私はたまたま原作を知っているから、そういう最後になることはわかっているのだけれども、原作を知らない人は「何、この人?」と、驚くと思う。 それはともかく、稲垣・三船コンビのラブコメというところに、意外さがあり、三船のコミカル演技にはおおいに見ごたえがあった。中盤あたりまではかなり面白い。

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