氾濫

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氾濫
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(5件)


  • bakeneko

    5.0

    ネタバレ汚い白衣だなあ~(コンタミするぞ!)

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • mys********

    4.0

    出世と金と性への自由な欲望

    久しぶりに増村映画見たくなってDVDレンタル。 増村映画の人々はいつも自分の欲望に自由だ。 金銭、名誉、出世、愛欲、増村の映画の人々はいつもそのどれかを明け透けに自由に求めている。 その姿は醜く厭らしいが、いつでも力強い、生命の謳歌だ。 物語の軸は研究開発に成功した重役で成功者である佐分利信(真田)。 これから成功するために手段を選ばない才ある青年川崎敬三(種村)。 真田の欲望は不器用だ。 周りの人間が素直に流れに従う様に欲望に夢見るのに、真田は過去の過ちを言い訳に不倫をするようになる。 ニヤリとも笑い顔一つ見せず自分の信条と相反するように生きていく人間らし姿だ。 種村の欲望はそれとは正反対だ。 女の体が欲しい時は幼馴染と結婚の約束をし、金が無ければ教授にせびり倒し、出世のためには利用出来る者は何でもする。 目的のためには手段を選ばないギラギラした姿はとても厭らしい。 若尾さんでさえ往復ビンタで手篭めにする姿はいっそ清々しいと言っていいくらい。 船越英二もそれに負けてない、お馬さんをした後に沢村貞子に毒づく様は何とも痛々しい。あれで一気に沢村貞子の年齢が元に戻ったように見えるほど痛々しく徹底している。 ラスト、真田家の人々は狐につままれたかの様に茫然とする。 そんな中、更に欲望を満たそうとする資産家達は高らかに下卑た笑い声を上げる。 そして球形タンクで資産家の娘に近づく青年の野望の発露はエクスタシーに達する。 この手の増村映画の中では「巨人と玩具」と較べるとややエネルギーの面でやや落ちる気もするので星4つにしたけど、十分面白い佳作と思います。 にしても伊藤雄之助がこういう役で出てるのはちょっと驚いた。 自分の中にはないイメージだった。

  • じゃむとまるこ

    5.0

    欲望の「氾濫」と生きることの不条理

    大阪は大雨です、今の私の心のように。 増村保造監督「氾濫」を観ました。 増村映画の特徴はエゴと欲望に忠実に生きる人間の本性を描き出すこと。 そして、そんな人間の安らげる場所はない、欲望に呑み込まれて破滅していくか、人生への諦念を持って隠遁生活を選ぶか? 思わず嗚咽が漏れた。 生きるとは、仕事とは、夫婦とは。 ある年齢を過ぎればわかる、若い方には実感としてわからないでしょうが、不条理な人生、もの凄く辛い映画です。 所詮人生とはこんなもの、と思う、そんな人生ばかりではないとは わかっていても、この映画が名作として数少なく映画史に残っているのは、一面の真理だからでしょう。 主演は佐分利信、才能があるが故に社会的成功を収め、欲望の氾濫の渦に呑み込まれていく真田左平。 仕事一筋の夫に不満を募らせ若い男に走る妻、会社での立場が危うくなった真田に大学での地位を餌に金をせびる大学教授(友人か?)、愛人への手切れ金を必要としている。 唯一の安らぎは元恋人との逢瀬であるが、彼女もまた、金目当ての女でしかなかった。 川崎敬三演じる若き研究者、種村恭助、彼は真田とは対極にある人物です。 才能はあるが、努力の出来ない野心家。 女には目がなく、次々と実力者の娘をものにして、出世をしていく、良心のかけらもなく金にも汚い、しかし社会的成功はもう手の内に入れている。 それが幸せなのかどうかはわからない。 諦念の中に安らぎを見いだす真田。 欲望の頂点を手に入れたかのような種村。 ラストシーンはお見事、余計なことは一切語っていません。 人物造形の俗っぽさ、容赦のない汚さ、その中で蠢く人間の欲望を描いて秀逸です。 原作は伊藤整ですが、増村カラーに呑み込まれてしまっているように思います。 i959年作ですから、皆さんお若いです。 真田の娘・・・若尾文子、大学生です。 真田の妻・・・沢村貞子、巧いですね~。 豪華キャストですが、佐分利信、このような俳優は今後現れないでしょう。

  • dqn********

    4.0

    ネタバレ私的成功と社会的成功

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • ********

    4.0

    重さと軽さ

    若尾文子に引きつけられてみたけれど、小津映画ではうなずくだけの佐分利信が周囲に翻弄されていく姿が痛々しい。研究に没頭して成功した研究者が、その過程で気づかずに失っていたもの(愛、家庭、友情)に復讐される話。相変わらず増村ブシ炸裂で、後半になるほど盛り上がってくる。佐分利の重さ、鈍さ、深刻さにいらいらするとともに、「がんばれ佐分利」といいたくなります。 他方では、若い研究者の川崎敬三が出世しようと焦る映画でもあるけれど、こちらは平気で嘘をつく軽さ、敏感さで周囲をだましていく。幼なじみの娘を利用して佐分利に近づき、佐分利の娘の若尾文子は首をしめてなかば強姦(ここから若尾のほうには愛が芽生えたことになっているのもすごい)。あげく、佐分利が重役を降りると結婚は破談にして社長の娘を誘惑する。 佐分利の家庭は仮面がはがされ、川崎は絶望するほど軽くなってしまうこの映画は、人生の重さと軽さという二面の苦しさでもあったようでした。 ちなみに、川崎が幼なじみに無理矢理キスするシーンで、唇を離した川崎と女性の間にきらきらと唾液の糸が光っています。こんな奇跡のようなシーンはそう撮れません。偶然でしょうが。

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