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貸間あり (1959)

監督
川島雄三
  • みたいムービー 10
  • みたログ 34

4.21 / 評価:14件

実はこれが代表作

  • kin***** さん
  • 2019年11月8日 8時38分
  • 閲覧数 185
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

川島雄三と言えば、「幕末太陽傳」が代表作というのが衆目の一致するところ。確かに完成度ではその通り。しかし、川島雄三らしさというのであれば本作ではないか。硬も軟も左も右も手のうちにしてしまう融通無碍なところが。

 桂小金治のロールキャベツ屋が、「貸間あり」の札を出したくてしょうがない。その理由はよく分からないけどオカシイ。彼はこれだけの住人がいてもなお新しい人が恋しいのかな。いや、そんな理由付けのための理由などないのだろう、人間には本人もよく分からない衝動ってもんがある。
 乙羽信子が、恵まれない境遇に流されて身体を売る自立できない女かと思ったら、ラストでは男を手玉に取るような女に変身して帰って来る。下手にやると作為ミエミエで白けるのだが、そうならずに笑える。
 だいたい、フランキー堺の人物造形だって、こんなヤツいるもんか、というデタラメと言えばデタラメ。小沢昭一の万年落第生もデフォルメし過ぎなくらいオーバーなのに、決して嫌らしくない。
 他の凡庸な監督なら、自分の思いついた笑いどころを強調する(バナナの皮で転ぶなら、バナナをUPで見せるような)のだろうが、そんな下品な演出をせず、極めてさりげなく当たり前のように見せるからだろう。

 私が一番好きなシーンは、淡島千景がフランキーに、「今日はツンツン」で男女は気持ちが分かり合えるのよ、と語るシーン。二人は部屋の隅と隅に背中合わせでいる。これぞ映画、というシーン。
 ラストで彼女が別府まで追うのも、フランキーが逃げるのもよく分からない。まあ、予定調和にならない結末をつけるためなんだろうけど、ここが納得いく展開なら傑作と言える出来と思う。

 通天閣が見える高台にある下宿屋表のロケが良い。桂小金治の立ち小便で終わるのは、一部眉をひそめる方もいるだろうが、この開放感は捨てがたい。その他笑いどころ満載の快作です。

詳細評価

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