解説: 　菊村到の短編小説『不法所持』をもとに鈴木岬一が脚本を書き「漂流死体」の関川秀雄が監督した犯罪ドラマ。撮影は「漂流死体」の仲沢半次郎、音楽は「姫夜叉行状記」の斎藤一郎が担当した。主演は「疑惑の夜」の高倉健と「父と娘」の中原ひとみ。<BR>　深夜、タクシーの運転手が頭を撃ち抜かれて死亡する事件が発生。だが目撃者はなく、銃声を聞いた人間もいない。野田巡査部長と新米の田口刑事が事件を担当することになり、被害者の身元と凶器の拳銃は判明したものの、事件の関係者はまったく出てこなかった。早苗はカトリック教会を訪れ佐藤神父に島岡との婚約を告白、早苗の父である野田は神父から事件のヒントを与えられる。バー〈テキサス〉のバーテンである水越が、金子という運転手に脅迫されたことを知り、野田と田口は金子のアパートを急襲。だが水越を脅したのはこの男ではなく、金子を名乗った他の男だった。バーの常連で拳銃を不法所持していた小林を取り調べ、二人はついにダイヤモンドタクシーで勤める倉井という男の存在を知るのだったが…。